米軍2014年予算案を軍種毎に斜め読み

EA-18G2.jpg10日に発表された2014年度米国防予算案ですが、報道関係者への説明ブリーフィングの内容を11日付DODBuzzが簡単に紹介していますので、陸海空ミサイル防衛の順で概要のみ取り上げます。
2013年度との単純比較で言うと、海空がアップ、陸とミサイル防衛はダウンの状況です。だたしアフガン関連経費は別枠です
強制削減に反抗するような予算案ですので、今後議会でどうなるか全く判りませんが、国防省なりのメリハリ予算だそうです。
陸軍はアジア太平洋重視を受け削減
afghanPT2.jpg●本年10月1日からの陸軍の予算案は、陸海空3軍の中で最低。昨年より1.7%減で$130 billion
●予算の削減で大きな問題は、結果として多くの部隊が、訓練不足により年末まで任務即応体制をとれないことでをとれないことで、訓練や飛行時間が次年送りとなったことが響いている。
陸軍予算の削減は、ペンタゴンの戦略シフト、つまり過去10年続いた地上戦への投資から、アジア太平洋地域の脅威へシフトする戦略によるモノ
Ground Combat Vehicle計画は18ヶ月程度先送り。アフガンからの撤収輸送経費の増加のしわ寄せ。ただし、戦場での通信ネットワークへの投資増
海軍はアジアシフトで3軍最高額を
RIMPAC2012-2.jpg●海軍はアジア太平洋回帰で3軍内で最高の$155 billion(空軍$144 billion 陸軍$129 billion)を獲得し、300隻態勢へ前進。メイバス海軍長官は「本予算は艦艇購入と更なる海軍の前方プレゼンスを推進するモノである」と語っている
●海軍は電子戦強化のため、EA-18G調達予算を倍増し、21機購入へ。またバージニア級攻撃原潜を2隻追加購入
●新型フォード級空母である空母フォードと空母ケネディーの建造費は、優先事業として確保
●海軍版グローバルホークで、RQ-4を改良するMQ-4C開発は設計とソフトとセンサーの統合に関する2つの問題を解決中で、予算を1年先送りへ
空軍は3軍で唯一前年比増を獲得
f351.jpg●空軍はより多くのF-35や精密誘導兵器を確保し、現役兵を少し削減する
サイバー、無人機、特殊作戦、輸送力にも力点を置く、兵士の削減は約1900人
●米空軍の3大優先事業、F-35、KC-46A、次期爆撃機は予定通りを維持できる予算を確保した。
●また、各種軍事衛星打ち上げようのロケット打ち上げ経費も確保。また輸送機C-130Jの予算は3倍増を確保
弾道ミサイル防衛はPAC-3予算減も
sm3launch.jpg●昨年に比して500億円程度削減されたが、メリハリをつけている。削減はPAC-3購入経費で2/3に成った
●一方でPAC-3の改良計画(Missile Segment Enhancement program)予算は、なんと7倍増となった
●イージス艦のSM-3システムには10%増の予算を確保
●米本土配備のMDシステムには14%増 迎撃ミサイルを現30発から44発に増加
THAADは9.3%増。THAADは北朝鮮対応で先日グアムに展開したばかり
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だからどうなんだ? といわれそうですが、小さな事からこつこつ積み上げていくことで視界も開けてきますので・・・
「ヘーゲル長官が2014年予算を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-04-11
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