13日、F-35に関わる米国防省、企業トップ、そして開発パートナー国等の代表が一堂に会する会議が開催され、これまでF-35に関して厳しい発言を繰り返してきた国防省関係者から「昨年の会議より遙かに良い雰囲気だった」との発言が相次ぎました
過去の会議が悲惨過ぎたことが背景にあるようですが、国防省と企業との関係も改善の方向にあるようです。もちろん、「先は長い。夢想家にはなれない」との発言が出る状態には変化有りませんが、少なくとも米国が購入する機体については改善が見られるのかもしれません
なお、本会議に関してはメディアによって表現に差があり、軍需産業の応援雑誌であるAF-Magazineサイトは「F-35は問題児でなくなった」との見出しを掲げ、購入に躊躇する外国政府にアピールしていますが、他の軍事サイトはもう少し冷静に受け止めているようです
本日は、バランスのとれた感じのDefense-News記事から紹介いたします
ケンドール国防次官(調達開発担当)
●仮に大きなサプライズ的問題が発生しなかったならば、2015年度予算案では生産ペースを大幅に上げることが出来ると思う。2015年に44機、2016年に66機も予期できる。
●今秋に大きな計画レビューを行うが、生産ペースが増せば価格も低下できるので、可能な限り早急に生産ペースアップに取り組みたい
●会議に参加していた海外の関係者も非常に前向きな反応であり、昨年の同会議とは対照的であった。
●まだまだ多くのリスクをF-35計画は抱えており、挑戦はまだまだ続く。しかし2~3年前と比較すれば、大きく前進できし、現在の状態を快く感じている。現時点だけ捕らえてみれば、問題を抱えた計画ではなくなった
●繰り返すが、仕事は多数残っている。幸福感に浸っている場合ではない。進歩に勇気づけれれるが、なされるべき事は多い。
●ロット6と7の交渉時程の細部には触れないが、ロット5の交渉よりは円滑に進んでいる。(ロット5の)交渉経験を通じ、ロッキード側とF-35の各部分の価格見積もりについて、実績に基づく話が出来る状態になってきた。
F-35計画室長Bogdan中将
●産業界のパートナーは今、我々と同じ土俵の上で行動してくれている。仕事上の関係が大きく改善されたと感じており、両者のコミュニケーションは「much, much better」である。
●改善された関係は、次のF-35契約ロット交渉にも反映されている。ロット6と7の交渉を初めて1ヶ月あまりだが、ロット5で11ヶ月交渉した時点よりも進んでいる。ロット5での経験が生かされていることに勇気づけられる
ロッキードマーチン社女性CEO
●なすべき仕事が我々にはある。だが、政府と企業と海外パートナーの協力により、昨年のこの会議から進歩を遂げられたことを誇りに思う。
●開発パートナー国8カ国の絆は、かつて無く強固になった。そしてオープンで透明性のある相互の意見交換を通じ、関係は更に強化された。皆が5世代戦闘機の生産にコミットしたのだ
「豪腕女CEOが語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-16
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日本の関係者はこの会議に参加していたのでしょうか?
共同開発国ではないのでオブザーバー扱いかもしれませんが、参加していないとおかしいですね。
最悪の状態は出した・・程度の受け止めで良いのでしょう。ソフトしかり、本格的に機体に負荷をかけた試験しかり、日本への売却価格や情報開示程度等々、まだまだ山はいっぱいあります。
100歩譲って、今後開発上の問題が発生しなかったとしても、戦闘機の機体にこれだけ投資すること自体が「亡国」な行為なのですから・・・。
国防省と軍需産業の仲直りは、一体となった海外への売り込み態勢を固めたということも意味します。恐ろしいことです。
それにしても、ここ2ヶ月ほどの国防省関係者の「態度豹変」は臭います。プンプンと・・・
マスコミの皆様は、米国及び日本の関係者への取材に全力を挙げ、日本への影響について報道すべきです
「亡国のF-35」最近の記事15本
→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/archive/c2302846744-1