22日、米陸軍協会総会でBrooks太平洋陸軍司令官とScaparrotti在韓米軍司令官(2日に着任)がそろって演台に登場し、朝鮮半島を含む極東に関する米陸軍の懸念事項を語りました。
これまで優遇されていた在韓米軍予算も今後影響を受けるとか、米空軍の輸送力が心配だとか、周辺3ヶ国の漁船が入り乱れるカニ漁が懸念材料とか・・興味深い部分をつまみ食いでご紹介します
予算削減が今後は在韓米軍にも・・
●Curtis Scaparrotti大将は「在韓米軍は、幸いにもこれまで予算削減の影響をほとんど受けなかった。他の地域が影響を受けるのを見つめてきた」と認めた
●しかし同司令官は「来年1月以降、国防省が対処する削減額からすれば、これまで同様の支援や即応体制を維持できるか不安である。私は北朝鮮有事の際、太平洋陸軍部隊の援軍部隊に大いに依存しなければならず、彼らへの影響も懸念している」と語った
●Brooks太平洋陸軍司令官は本件について、「(有事の際、)太平洋陸軍所属でハワイやアラスカ所在の部隊を派遣して在韓米軍を支援したいと思うが、空輸無くして部隊を派遣できないので、予算削減により空軍の輸送力が影響を受けることを大いに懸念している」と述べた
●またBrooks大将は予算削減が太平洋軍地域に与える影響について、「まだ甚大な影響が出ているわけではないが、既に長期にわたり準備してきた日本との演習を中止する等の影響が出始めている。来年の大きな演習にも危機が迫っている」と訴えた
カニ漁を巡る不測事態を懸念
(Scaparrotti在韓米軍司令官が語る)
●朝鮮半島周辺での紛争は不測事態が引き金となって発生しうる。今現在の私の懸念事項は甲殻類(crustaceans)である。
●現在、DMZに近い朝鮮半島西側海域には、「blue crabs」を狙って中国、韓国、北朝鮮の漁船約400隻が集結しており、その状況を監視する3ヶ国の海軍艦艇も周辺で遊弋している。
●これまでになく一触即発の可能性が高まっているとも言え、警戒を強めている
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すこし前、某財団の公開シンポジウムで韓国研究者が、「半島有事の際の米軍増援規模は3万人だと米国研究者から聞いたが、とても足りない」と嘆いていました。
関連装備も含めれば、数万人の輸送は大事業であり、太平洋陸軍司令官も、さぞ頭が痛いことでしょう。
Brooks太平洋陸軍司令官の顔に見覚えのある方は、相当の通です。
イラク戦争の際、米中央軍の作戦報道官として連日メディアに登場し、記者からの多種多様な厳しい質問に対し、表情を変えず淡々とよどみなく対応したことで注目を集めました。
当時は米陸軍で最も若い将軍として、また陸軍士官学校で初めて黒人として学生指揮官に選ばれた経歴を持つ「切れ者」として、更に父と兄も陸軍将軍である点などが話題になりました。
極東では韓国の勤務のみで日本経験はないようですが、お母様のお名前が「Naomi」なので、もしかしたら日本人の血も入っているかも・・・