北朝鮮の核施設が急ピッチで再立上げ

38 North2.jpg23日付で米Johns Hopkins大学の北朝鮮専門シンクタンク「38 North」は、北朝鮮が活動を停止していた寧辺(Yongbyon)核施設を急ピッチで再立ち上げしていると報じています
金正恩の側近と言われた張成沢の粛正以降、その動向に注目が集まる北朝鮮ですが、何やら不穏な雰囲気です。
なおJohns Hopkins大学SAISの「38 North」は、商用衛星の画像をフル活用し、専門家を動員して北朝鮮の核やミサイル活動をフォローする意欲的なシンクタンクで、その筋の専門家も大いに参考にしているらしい研究機関です
「38 North」の研究を報じるDefense-Newsは
●衛星画像によると、北朝鮮はその主要な核施設に「広範で精力的な」努力を傾注し、全面的な再稼働に向けた活動を行っている。これは北朝鮮が主張している兵器強化と一致するモノである
●寧辺(Yongbyon)核施設で確認できる各種作業は、明らかにプルトニウム原子炉で使用される核燃料生成に向けた動きであり、施設の一つは今年再開した5メガワットのプルトニウム型原子炉である
●北朝鮮は今年2月に、2006年と2009年に続く、これまでで最大となる3回目の核実験を行った。そしてその2ヶ月後に、2007年以降活動を停止していた寧辺核施設の再開を宣言した
38 Northは衛星写真を詳細に分析し、「施設の屋根に見られるススの後は、熱交換施設を完成させるための溶鉱炉作業のサインと思われる」と分析している
38 North.jpg●また屋根にシミのように見えるのは、燃料棒を製造する際に使用する「フッ化水素酸溶液」だと考えられる。また、施設近くのゴミ捨て場のような場所には、大量の「gray materials」が見えるが、これは燃料棒製造の際に出る廃棄物と考えられる
●このような証拠を総合すると、北朝鮮による寧辺核施設の近代化再開努力は、これまで想定されていたよりも「広範でより精力的である」ことを示している
●北朝鮮の保有する核物質(大部分はプルトニウム)は、種々の見積もりがあるが核爆弾6~10個に相当すると考えられる
●一方、韓国の情報機関は早期に北が核実験を行う可能性を否定している。韓国情報機関のトップは23日、韓国議会で「北朝鮮はいつでも核実験を行える状態にはあるが、その兆候は今のところ見られない」と証言している
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クリスマス休暇の閑散期にレポートを公表するのも、一つのアピール手段かもしれません。
しかし北朝鮮におかれましては、せめて日本のお正月期間だけは静かにしておいて頂きたいものです
「38 North」は、まじめにコツコツと分析する研究機関ですので、皆様ご注目を
→http://38north.org/2013/12/yongbyon122313/

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