大前研一:日本の農業や漁業の変化

久々の経済情報です
oomae.jpg11月4日号の雑誌プレジデントに、大前研一氏の「驚きの名案は、疑り深い人間から生まれる」とのエッセーが掲載され、ネット社会でも自分の足で調べないと気づかない事例として、全国を取材して歩いた際にタクシー運転手から聞いた話等を紹介しています
取材の時期は不明ですが、十和田湖から八戸への約90分のタクシー内での運転手の話は、日本の農業や漁業の実態を知る上で、非常に興味深い中身ですのでご紹介します。
ただし、情報の確度や信憑性について大前氏がどれだけ裏を取っているかは不明で、また事象の背景についても語られていませんので、多少消化不良になるかもしれません。その辺はご容赦を・・・
リンゴ農家は台風被害を待っている
●この辺のリンゴ農家は皆、台風が来るのを待っているという。聞けば、台風でリンゴが駄目になると補償金が出るからだそうだ
●昨年の台風ではリンゴが壊滅的な被害を受け、年末にまとまった補償金が入ってきた。あれでハワイや豪州に行った人も多い。また台風来ないですかね
八戸の漁師はロシアから魚を買って楽に
Hokuren2.jpgロシア船は表の漁港に入れないので、山の裏側の漁港に来ている。ロシア人に卸させて、八戸の漁師は危険な北洋漁業には行かないで楽になっている
●地元の漁師に確認すると、漁は完全に「アウトソーシング」になっている。「来年は冷凍庫を完備した俺たちの船を貸してやろうかと思っているんだ」とあっけらかんと白状した
日本海側では北朝鮮漁船と洋上交換
●日本海側の漁場で境港の漁獲高が一番になったとのニュースを聞いた。しかし奇妙なことに日本海側の漁港の中で、境港だけが漁獲高が増えている。不自然だ。
●境港は朝鮮半島に近いので、北朝鮮の漁船と洋上交換しているのではないかとの仮説を立てて現地に乗り込んだ
●やはり漁師が餌は持たずにドルを抱えて出港し、大漁旗を立てて帰ってきた
ホクレンが出荷する農産物が豪州産
Hokuren.jpg豪クイーンズランド州の日本向け輸出品リストを見せてもらったとき、どこに向かっているかを豪州に情報公開要求できると知った
●調べてみると、ホクレンと州政府の間のアスパラやブロッコリー契約書が入手できた。また資料には「ホクレンは本契約に神経質なので口外しないように」との脚注が付いていて笑った
●それ以降、「ホクレンのXX」との箱に入っているのは輸入品、北海道産と書いてあれば国産との識別があることが判った
●このことを本に書いたら、ホクレンから出版停止と本の改修を求められた。しかし入手した契約書を見せると、ホクレンは簡単に引き下がった
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oomae2.jpgTPPに反対する以前に、日本の農業や漁業の「空洞化」は急激に進んでいるのかもしれません
あの「JA:農協」の皆さんが、農業ビジネスに関心のある企業をわざわざ出向いて訪問し、ノウハウや支援を依頼するケースも増えているようです
社会の高齢化というものは、マスコミが表層的に伝えるモノだけではなく、本質的な部分で社会構造を変化させているんでしょうね・・・
「経済情勢」カテゴリーの過去記事
「植物工場は儲かるか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-07-14
「温故知新エコン族の生態」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-02
「消費者調査の罠と嘘」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-13
「値上げしてもOKのTDL」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-01-1

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