2日、カーター国防副長官の退任行事がペンタゴンで
公式には3日が最後の仕事日だそうですが、実質これが最後の活動と成った模様です。行事にはヘーゲル国防長官やデンプシー統合参謀本部議長等々の主要幹部が出席し、2度のペンタゴン勤務で合計11名の国防長官を支えたカーター氏の送別に、陸軍軍楽隊も花を添えたようです。
面白い試みとして、デンプシー議長が会場スクリーンに映し出したパソコン画面でカーター副長官を「ネット検索」し、その活躍ぶりを検索結果を使って振り返る一幕も有ったようです。
また5日付で臨時の職務代行者(acting deputy defense secretary)に、Christine H. Fox女史をが就任すると発表されました。臨時とは言え、女性が国防相のNo2ポストに就任するのは初めてとのこと。
本年6月まで、強制削減への対応要領を検討した「Strategic Choices and Management Review」の中心的な役割を果たしていた人のようです
退任行事でカーター氏は米国の政治状況を非難し
●ワシントンの統治機構を取り巻く乱気流は、深刻な影響をもたらしている。我々が国民の税金をより有効に活用しようとしている中で、それは国防省の計画や軍需産業に非効率を注入している
●またそれは、我が軍が緊急事態に対処する即応体制に悪影響を及ぼしている点で不安全である
●更にそれは、政府に仕える軍人や文民職員の愛国心を損なっている
●最も深刻なのは、同盟国や友好国、更には潜在的な敵対者の目の前で我々を困惑させている。
●偉大なそして強い国家は、機能する政治を必要としている
●国防省の職員に対しては、引き続きその業務要領を改善していくように要望する
臨時のChristine H. Fox国防副長官は・・・
●今年6月まで約5年間、国防省の「Cost Assessment and Program Evaluation」部長を務め、強制削減対処の方向性を検討したSCMRの中心的役割を果たした人物
●発表に際しヘーゲル国防長官は「Fox女史はSCMRを通じ、前例のない予算状況の中で、国防省が直面する課題や選択や機会を明確にする役割を果たしてくれた」と国防省での業績を讃えた
●更に長官は「国防省の複雑に入り組んだ予算状況や各種計画、更には世界での作戦行動に誰よりも精通した彼女は、勤務初日の12月4日から、私が業務の優先順位を判断するのを支えてくれるだろう。国防省に戻る事に合意してくれて嬉しい」と期待を表明した
Fox臨時国防副長官の経歴
●George Mason大学で応用数学の修士号を取得
●Center for Naval Analyses (CNA)の作戦評価チーム長、副理事長、そして理事長を務め、約30年にわたり、国防問題の調査分析に従事し、特に実際の軍事作戦を対象とした分析で実績のある人物。
●具体的には、1990年代のボスニア・コソボ紛争、911事案後のアフガン作戦、2003年のイラク軍事作戦の分析等を行った
●またNASAに委託され、コロンビア号事故の調査機関のメンバーとして、フライト再開に向けた対策の勧告を行った
●国防省のコスト&計画評価部長には2009年11月3日に就任し、2013年6月まで勤めた。
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やはりなんと言っても、今後の米国防省の最大の課題は「Sequestration:予算の強制削減」対応です。即戦力としての期待でしょう。しかし、正式なカーター副長官の後任者は誰になるのでしょう?(左の写真の女性は奥様)
No3となる政策担当国防次官の後任者と合わせ、噂レベルでも候補者の名前を見聞きしたことがありません・・・
空軍長官にも、難産でしたが女性が就任することになっていますし、ますます女性パワーが国防省で活躍しそうです!
(残念な話も・・・宇宙飛行士出身の空軍中将だった女性将軍が、過去に部下の性的暴力事件を「もみ消した」との理由で大将昇任を見送られ、退役する模様です)
「女性空軍長官誕生へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-03
「宇宙戦争は女性が指揮」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-30