大幅改良の中国J-20が初飛行

J-20 New.jpg19日付米海軍協会webサイト記事が、中国のステルス機と言われる(?)J-20の開発状況をフォローしています。
技術デモ機と見られていた「2001号機」と「2002号機」での試験成果を踏まえ、3月上旬に初飛行に成功したばかりの第1弾量産プロトタイプらしき大幅に改良された「2011号機」を取り上げています
米海軍協会のweb記事では、大型兵器搭載性や多様な方向からのステルス性が改善され、より機動性の高い機体構造になり、アビオニクスが完成版になったと分析されています。
記事では、機体外観の変化について技術的な解説がなされていますが、良く理解できないので「いい加減に」ざっくりとご紹介します。海軍協会サイトに、大きな比較写真が掲載されていますので、ご興味のある方はそちらをどうぞ↓↓ 
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米海軍協会の写真記事→http://news.usni.org/2014/03/19/china-unveils-capable-stealth-fighter-prototype
2011号機の改良点や今後の見積もり
●まず分かり易いのは、機体の色がF-22のような「より明るいグレー」に変更されたこと
兵器格納庫が大きくなったように見える。空対空ミサイルや精密誘導爆弾以上のものが格納できそうに見える
J-20-New2.jpg●エンジンの空気取り入れ口がよりスレンダーながら、突きだしたような形状に。取り入れ口の導入部分が内部に引っ込み、機体となじむ形状に。
●前輪及び後輪の格納ドア形状や翼の形状がよりフラットに。
●カナードの後部コーナー形状が切り詰められ、取り入れ口と一体化する様な形状に。垂直尾翼の後部も切り詰められた。中国の文献によると、これらは側面からのレーダー反射を低減する施策
●尾部のブームが長く幅広くなり、排気口と同程度に。垂直尾翼も少し大きくなり、多くの角度から排気口が見にくくなった。これらにより、J-20の真後ろに位置しない限り、排気熱の放射が大幅に削減される
●AESAレーダーを含む、総合的で包括的なアビオ装備が搭載されたように見える。先端部分の形状が鋭い角度になり、より実際のレーダー形状に即したものに再設計されたかも。
AESAレーダーは、J-10Bで第1世代が、J-16で1.5世代が搭載され、J-20が部隊配備される頃には、第2世代が搭載されるだろう。新世代の「integrated electronic systems」はJ-10Bで試験されており、J-20計画に活用されただろう
J-20のあごの部分に搭載された新しい光電追尾装置(electro-optical tracker)は、F-35の「Electro-Optical Targeting System」に似ている
●コックピット内は確認できないが、新しいHUDが搭載され、キャノピー形状も改良された
●中国空軍の他分野の計画から推測すると、J-20の部隊用生産は2019年頃に開始される模様。
●J-20に関する最も大きな疑問は、開発途上と言われる「WS-15」エンジンの状況である。これが2019年に間に合うのか、不透明だと言われている
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J-20-New3.jpg確認しておきますが、ロシアのT-50と同様に中国のJ-20は恐らく、F-22やF-35と空中戦をやるため、つまり航空優勢獲得のために開発されている航空機ではありません
大型の形状、今日の記事で出てきた「大きな兵器格納庫」が示すように、隠密に敵空域深くに侵入し、敵のAWACSや給油機や指揮統制機、又は敵の作戦基盤基地や高価値目標に打撃を与える狙いを持つ装備と考えるべきでしょう
日本の戦闘機命派は、懸命にJ-20等の能力とF-35等を比較して「空中戦」のイメージを売り込み、「亡国のF-35」購入へのミスリードを行っていますが、賢明な皆様は誤魔化されないように
非効率な「空中戦」など中国はメインに考えていません。なるべく巻き込まれないように考えるのが現代の王道です
中国のステルス機開発?
「IISS:J-20は大した事ない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-03-08
「映像と評価中国ステルス機J-20」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-30
「映像:中国の新ステルス機?J-31」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-11-02
「ロシアのT-50開発状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-22-1

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