中国とイスラエルが急接近

Israel china.jpg1日付Defense-Newsが、昨年末の中国外務大臣のイスラエル訪問に象徴されるように、中国の巨大資本とイスラエルのインフラ整備やハイテク産業の結びつき等が強化されており、将来はイスラエルへのハイテク投資額が米国を抜いて一番になるだろうと報じています
2000年にイスラエルが中国に「Phalcon」早期警戒管制機を売り込んだ際、米国が猛反発してスローダウンした中国とイスラエルの関係が、シリア情勢対応に見られる米国の「煮え切らない姿勢」もあり、中国資本の魅力にイスラエルが吸い寄せられる形で活発化しているようです。軍事分野では慎重なようですが・・
1日付Defense-News記事によれば
China-Israel.jpg中国国家や民間の資本が、イスラエル政府の後押しもあり、イスラエルを支えてきたハイテク産業や社会資本整備に、これまでにないレベルのアクセスを得ている
中国の巨大市場や資本、国連での常任理事国席などに魅せられたイスラエルのネタニアフ首相は、中国との関係強化を優先施策にしている。昨年12月、中国外相を迎えた記者会見で同首相は、「両国は互いに補完できる。中国の世界に通じる産業とイスラエルのハイテク分野の協力だ」と語っている
●12月の中国外相訪問以後、イスラエルは中国との協力強化拡大のため、イスラエル技術を用いた海外ライセンス生産の許可発行を緩和している。
●例えば、イスラエルの国家サイバー管理局は、来年設置予定の「Cyber Emergency Response Team」に中国を含めようとしている
●またイスラエルの農業化学産業に、中国の国営化学企業が2400億円を投資し、イスラエルのナノ化学技術にアクセスし、テルアビブ大学と共同で研究センターで活動している
●その他にも、イスラエルのレーザー光線企業を上海の企業が240億円で買収し、香港の中国人がテクニオン研究所の広東省支局に130億円提供している。また最近では、牛乳などの酪農製品を扱うイスラエルの伝統企業「Tnuva」が買収されるとの噂まで出ている。
Israel china2.jpg●イスラエルの科学者協会によれば、同協会との共同研究プロジェクト数で、中国は米国に近い第2位の位置にある。中国が欧州と入れ替わって急激に第2位になり、ハイテク分野に資金を投入している。科学者協会は、間もなく中国が1位となると予想している
●逆に社会資本分野で中国は、紅海と地中海を結ぶ高速鉄道計画の建設や運用プロジェクトに名乗りを上げ、中国政府の資金提供を含む提案で有力な提案者となっている。
8000億円を超える複線鉄道計画の業者選定を、本年末にイスラエル政府は行う予定だが、もし中国提案が採用となれば、スエズ運河の代替的存在となるインフラに中国が関与する事になる。
●ネタニアフ首相は「(中国が関与する事になれば、)スエズ運河に多くを依存する中国の海運にとって、紅海―地中海プロジェクトは大きな意味を持つことになる」と1月末に述べている。
●一方で元イスラエル国防相であるEphraim Snehは、「イスラエルにとって米国との戦略的協力は緊要な国益である。中国への軍事輸出を精査するとの米国との10年前の約束は、この戦略的協力に含まれる」と述べ、軍事分野での中国との取引再興にはバランス感覚が必要だと指摘した。
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Israel china3.jpgこの記事では、イスラエルと中国の軍需装備品取引の現状は不明ですが、イスラエルのことですから、第3国や他国のカモフラージュ企業を介して中国に着実にアプローチしていることでしょう
そういえば昨年末、イスラエルから中国に最新の軍事技術が流出し、 イスラエル国防省の対外輸出担当高官が辞任に追い込まれた、とのイスラエル報道をご紹介したばかりでしたねぇ・・・
イスラエル関連の過去記事
「イスラエル起業大国の秘密」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-20
「中国に最新軍事技術流出」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-25-1
「オスプレイ初輸出イスラエルへ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-02
「映像:イスラエル軍女性兵士」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-27
「ユダヤ人は離散していない!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-17

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