豪空軍が追加で58機F-35購入へ

Abbott1.jpg23日、豪州のアボット首相が追加で58機F-35を購入すると発表しました。
豪州は約100機の購入を念頭に、F-35共同開発に参加していますが、開発の遅延や価格高騰の理由に14機の購入のみを公表し、正式契約は要員教育用の2機(米国内に配備)のみに止まっていました
2012年5月には当時の労働党政権が追加購入決定の2年延期を米国防長官に通知していましたが、アボット新自由党政権がそれから約2年後の23日に、更なる追加購入を発表したわけです。価格は1.15兆円と報じられています
これで豪州が発表した購入機数は計72機となり、契約はまだですが、豪空軍が現在保有するFA-18旧型の3個飛行隊更新分を確保したことになります。
23日付Defense-Newsによれば
F-35 Korea22.jpg●アボット首相は「第5世代F-35戦闘機は生産されている世界で最先進の戦闘機であり、今後数十年にわたり安全保障に貢献するだろう」、「豪州に最初に到着するのは2018年で、最初の飛行隊が運用開始するのは2020年になる」と述べた
●なお唯一契約が終わっている初期要員養成用の2機は、本年7月に完成し、2015年初旬にはアリゾナ州のLuke AFBに配備される
●豪空軍は3個飛行隊分のFA-18旧型を72機のF-35に更新する計画で、同首相は「将来的には2009年に配備されたばかりの24機の最新FA-18Fの更新もF-35Aで考えている」とも述べた
●更に首相は「約1600億円をかけて2つの空軍基地にF-35受け入れ施設を整備する」とも発表した。2つの基地とは、南東部(New South Wales)のWilliamtown基地と北部(Northern Territory)のTindal基地である
●国内産業への好影響として同首相は「豪軍需産業にインフラ施設関連を含め約350億円の仕事が発注され、将来的に1500億円以上のF-35関連事業が国内産業にもたらされ、更なる追加も予期される」と訴えた
Abbott2.jpgDavid Johnston豪国防相はラジオ番組で「もしF-35の価格や維持コストが受け入れがたいレベルに上昇した場合、豪州はF-35購入をに縛られない。現状ではコスト関連指標は良い方向を示している」と述べる一方で、「有るとは思わないが、もしコストに大きな変化が生じたら、計画から去ることは可能なオプションである」と述べた
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さぞかし米国防省やF-35計画室やロッキード・マーチン社は喜んでいることでしょう。
オバマ大統領のアジアツアー開始のタイミングに、発表を合わせたのでしょうか? 米国とのTPP交渉を見据え、日本が豪州と牛肉等の分野で「握った」のですが、F-35で米国は巻き返しました
豪空軍F-35の紆余曲折
「豪はF-35購入決定を2年延期」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-04
「豪が米のF-35計画を精査中」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-29
「豪は14機のみ購入確約」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-27

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