4日、米空軍が2038年までを見通した無人機ロードマップとなる「RPA Vector」を発表した模様です。
米空軍のKen Callahan大佐(無人機能力計画課長)は、「無人機に関する要素技術は概ね手元にあるが、何をやらせるかが問題だ」と課題を語っています
RPA Vectorについて同大佐は
●ISR任務の他にも、近未来から中期的視点では、空中給油、SEAD、電子戦、負傷者救出、物資空輸等々の役割が考えられる
●無人機の大きさも、手投げサイズから大型機、更には宇宙船に近いものも想定される。有人機が出現した第一次大戦の頃と、同じタイミングを無人機が迎えている
●無人機そのものの性能よりも、それを生かす自動操縦技術、多数無人機を少人数で制御する技術等が重要になってくる
●また、次の無人機の主流は、モジュール交換で多様な任務を遂行可能なタイプだろう。1機で全てをこなすことは出来ないが、任務に応じて搭載システムを交換できると良い
映像センサーやMQ-Xは?
●MQ-9リーパーに搭載されアフガンで使用された多方向映撮影装置像Gorgon Stareは、それほど多く必要ではない。アフガンでは有用だったが、米軍の将来ニーズに広範に適合しているわけではない。最終版を今後試験し、どのようか活用法があるかを検討する
●MQ-9の後継と言われるステルス型のMQ-Xは、予算の影響を受け具体化が進んでいないが、「RPA Vector」で言及されている。米空軍は、A2AD下の強固に防御されたエリアで生き残り可能な多用途の無人機を求めており、MQ-Xもモジュラー交換可能な多用途が期待される
「RPA Vector」原文(100ページ:3.4MB)
→http://www.globalsecurity.org/military/library/policy/usaf/usaf-rpa-vector_vision-enabling-concepts_2013-2038.pdf#search=’RPA+Vector’
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約100ページに及ぶ本格的な内容のようです。でも気になります・・
無人機の分野に「統合」や「4軍による協力」の思想は無いのでしょうか? 短い断片的な記事の紹介で、「RPA Vector」に目を通していないので断定は出来ませんが、特にエアシーバトルを共に推進する海軍との協力についても、全く考慮された痕跡が見つかりません
数年前に米空軍が発表した将来計画「無人機フライトプラン」でも、ほとんど他軍種との協力は確認できませんでした。
「A2AD環境での生き残り」、「モジュラー化」、「多用途化」が一つのキーワードのようですが、どれも4軍共通のテーマだと思うので、ぜひ統合で進めて頂きたいものです
海軍のUCLASS議論を眺めていて、空軍と共に「共倒れ」になるのでは・・と不安でなりません。
米国防省による無人機ロードマップ
2013年末、国防省が扱う全ての無人システムに関する開発、生産、テスト、訓練、作戦、維持の「visionとstrategy」を描写した170ページもの議会報告書を発表
→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-31-2
3年半前の計画
「無人機フライトプラン1」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-12-27-1
「無人機フライトプラン2」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-12-28