約2年半前の出来事・・
→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-28-1
2011年12月8日、イランの国営テレビが、イランによって捕獲された米空軍の無人ステルス機RQ-170の映像を「突然」公開しました。
イランの革命防衛軍幹部は、「我が電子戦部隊が、無人機の操縦を乗っ取って無傷で着陸させ捕獲した」と豪語し、ほとんど無傷な、ややクリーム色がかった機体を公開しました。
2011年の1月には、アフガンのカンダハル基地でRQ-170の様子が確認されており、「何をしてるんだ?」と当時から憶測を呼んでいたところでした。
イラン側からのRQ-170捕獲宣言を当初は無視していた米側ですが、最終的には「誘導装置の故障」と説明し、オバマ大統領がイランに「機体を返せ」と呼びかけるに至りました
米側の報道では、このRQ-170は米CIAが活用し、イラン領内を飛行してイラン核施設のスパイ偵察を行っていたと紹介されていました
あれから2年半が経過し・・・
2014年5月11日、イラン国営テレビはイランによって複製されたRQ-170を紹介し、当該機をイランの最高指導者ハメネイ師が視察する様子を報じました。
12日付Defense-Newsは同報道について・・
●イラン革命防衛軍の航空部隊が実施した披露展示会(Aerospace Force exhibition in Tehran)には2機のRQ-170に似た機体が展示され、その映像が放映された。
●同防衛軍は、最近弾道ミサイルや無人機分野で力を付けている。無人機の開発では、数百マイルの行動半径を持ち、ミサイルを搭載した無人機にも取り組んでいる
●またイラン国営TVの番組は、イラン無人機が撮影したと主張する、ペルシャ湾で活動する米海軍空母の映像を放映した
●同映像はかなり鮮明で、米空母艦上の航空機やヘリと、その周辺で働く兵士の様子が確認できる。
●ハメネイ最高指導者は「この無人機は偵察任務に極めて重要な役割を果たす」と語った
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イラン関連の記事
「F-35関連でイランへ技術持ち出し」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-14-1
「CSBAが対イラン軍事を考察」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-01-26
「攻撃しても核開発は1-2年遅れのみ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-05
「イランICBMはあと10年」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-12
ハメネイ師が視察したと言うことは、それなりの自信作なのでしょう・・
2年半でどれだけ複製可能なのか気になりますが、イラン革命防衛軍が「弾道ミサイルや無人機」に注目し、力を入れている点には大いに注目すべきでしょう!
軍事的合理性に沿って考えれば、当然の方向性です。中国だってそうだし、北朝鮮だってそう考えるでしょう。
誰が今更、空中戦や空母決戦で米国やその同盟国と対決しようと思うでしょうか???
安価に高性能の誘導兵器やサイバー兵器や電子妨害技術を入手活用できる現代世界で、要員養成や関連施設に莫大な経費が必要な戦闘機を全面に出し、西側諸国と空中戦で勝負しようなどと考える「馬鹿」は軍事新興国にいるでしょうか?
敵は相手ではなく、味方の中にいる「旧思考派」や「戦闘機命派」だと思います。過去の「空想の栄光」にしがみつき、変化を妨げる典型的な軍人の悪癖を備えた集団です。
もちろん「ブラックホール化する陸上自衛隊」もですが・・・
「戦闘機の呪縛から離脱せよ!」→ http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-04-16
「ブラックホール化する陸上自衛隊」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-23
ロバート・ゲーツ語録
(http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-05-19)
→全ての潜在的敵対者、つまりテログループ、ならず者国家、ライジングパワー、これら全てが共通に学び得たものは、米国と通常戦の手法で正面から対峙するのは賢明ではないとの認識である
→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-11-27