以下は概要です
細部は引用元も含め兄弟ブログ「輪になって踊らず」に
→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2014-05-05
米軍は、予算的制約とイラク&アフガンでの疲弊から、対中国の新たな環境に十分に向き合えていません。
本記事ではその典型例として、「作戦サイクル(ATOサイクル)」方式による作戦運用を取り上げ、日本がその方式に盲従して現実を直視しない姿勢を嘆き、中国正面での作戦計画方式のあり方を考えます。完璧な代替案を提示できる段階にはありませんが、一石を投じるつもりで・・・
問題意識
●米軍が作戦面で最も意識改革を求められているのは、相手から攻撃を受けない「聖域」での活動を前提とせず、自らの基地や装備が「被害を受ける前提」で作戦を考える姿勢である。
●国防省のエアシーバトル推進室が昨年11月に整理した課題10項目も、この辺りの意識改革の必要性を訴え、危機感を持って対応を検討している。
強制削減に直面する米軍の混乱
●しかし現下の厳しい環境で各軍種が行っている方向性は、脅威の変化や新たな脅威対処の名を借りつつ、現在の組織内で力を持つ勢力に都合が良い、組織や職域防衛的な匂いを放っている
合理的な米軍の避難訓練と見えない日米共同
●中国の対処案で揺れる米軍だが、中国の弾道ミサイルや巡航ミサイルの脅威とその増強ぶりは十分に把握している。そして「いざ有事」の際の避難計画や避難先の確保には取り掛かっている。
●同時に、推定5回にも及ぶ本格的な日米軍統合のIAMD演習(海軍大学がシナリオ担当の本格的シミュレーション)で、日本防衛の難しさが極めて難しくなっていることは十分認識されている
身近な問題「作戦サイクル」に目を向けると
●問題の作戦サイクル(ATOサイクル)とは、作戦センターで作成される空軍作戦を指揮する命令で、「24時間の飛行計画を定めたリスト」である。コールサイン、航空機タイプ、任務(CASや空中給油や目標攻撃等々)が記されたものである
●そして作戦サイクル有効性を発揮したのは、20年以上前の湾岸戦争でクウェートを侵略したイラク軍を追い払う作戦からであり、IT技術を独占し、衛星通信を含めた精緻で妨害のないネットワーク環境を確立して維持できた環境下のみである。
●この「上から目線」な戦い方こそが、米軍の「脅威の変化を理解出来ていない」「過去の戦い方に囚われている」「研究者レベルの警告が生かされていない」状態を端的に表している
もう一度、冷静に考えよう
●相手の猛烈な弾道/巡航ミサイル攻撃の被害に耐え、生き残ったISR情報を基に柔軟で臨機応変な反撃が求められるだろう。そしてその際、24時間の戦いを事前に固定する作戦サイクルのような「上から目線」な戦い方は、百害あって一利なし、である。
●わが国はどうか? 脅威の変化の最前線に位置し、その変化に日々直接接する立場にありながら、極めて鈍感である。「専守防衛」と「憲法9条」の日陰で育成されたことを言い訳に、いつしかその環境を組織防衛の「温床」に変え、厳冬の冬に布団から抜け出せない怠け者のように変化を避けている
●空軍操縦者が抱く過去の戦いへの憧れそのままに、航空自衛隊の戦闘機パイロットは、未だに20年前の米空軍の姿(湾岸戦争)を夢見て作戦サイクルにしがみ付いている。
脅威の最前線にある日本が主導せよ
●「上から目線」の戦いから「被害を覚悟した」戦いへの変化で米軍をリードし、このノウハウを持って日米共同軍事作戦や対中国多国籍軍作戦の「操舵室」で確固たる地位を確保し、極東や東アジアを知る国家として作戦をリードできる地位を目指すべきである。誰かが言っていた「活米」の概念もこの流れであろう
●脅威の変化の最前線にある日本こそが変化の先頭に立ち、その気概を示すべきである。世界の軍隊が抜けられない「しがらみ」や「ワンパターン」から脱却し、日本のアイデンティティーを打ち出し、アイディアで欧米アジアをリードすべきである。
CSBAによる最新のエアシーバトル解説
→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-15
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細部は引用元も含め兄弟ブログ「輪になって踊らず」に
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