韓国空軍がKF-Xを2エンジンに

Korea KF-X3.jpg18日、韓国軍統合参謀本部がKF-X計画(F-4&F-5攻撃機の後継をエンジンとアビオニクスの一部を除き自国開発)に関する意志決定会合を開き、国内を2分する激論となっていた「搭載エンジン数」を「2個」とする方向で決定した模様です
韓国空軍のF-4&F-5攻撃機は、大部分が2020年半ばまでに退役することから、KF-Xを2025年(当初から2年遅れ)までには運用開始して、120機以上を調達する計画のようです。
エンジン数を「1個か2個か」で大いに紛糾しているようなので、その部分を中心に18日付Defense-Newsよりご紹介します
計画の概要(18日付Defense-Newsより)
Korea KF-X.jpgF-16クラスの性能を目指し、生産の第2段階では内部爆弾倉を組み込み、第3段階ではF-35並みのステルス性を獲得する
●開発経費の6割を韓国が、2割をインドネシアが負担し、残り2割は未定。KAI(韓国航空工業社)が2割を拠出する可能性が高い
エンジンの候補には「GE F414」と「Eurojet EJ200」を含み、8月には選定作業を開始する
●開発に必要な432個の技術要素のうち、約9割は自国技術で対応可能であり、残りはエンジンや一部のアビオニクスだけである。
●この残りの技術部分はF-35の購入契約をしたロッキード社からのオフセットで入手可能になることを期待している
エンジン2個派
韓国空軍は韓国国防開発庁の後押しを得てエンジン2個を追求している。韓国空軍報道官は「4.5世代であるKF-Xは2万ポンド以上の兵器搭載量が必要で、F-16より大型で将来の能力向上や拡張性を確保する必要があるため、2個エンジンが必要だ」と説明している
●また同報道官は「2個エンジンによる価格上昇懸念については、開発パートナーであるインドネシアがかなりの機数を購入する模様であり、大量生産でコストは低下するから問題ない」と補足した
●空軍報道官は更に、「中国や日本のような近隣国が空軍の近代化を進める中、KF-Xは2個エンジンで発展性を持たせるべきである」と付け加えた
エンジン1個派(2個に大反対派)
Korea KF-X2.jpg国立の韓国国防研究所(KIDA)は、技術的困難性と価格上昇懸念から2個エンジン設計に強く反対しており、経費に関しては1個エンジン計画の9.3兆円の2倍に膨らむ可能性があると警告している
●またKIDAは、F-16クラスの戦闘爆撃機で2個エンジンを採用しては国際競争力が無くなる事や、非現実的で実現困難な技術要求を問題視している
KAI社も1個エンジンを望んでいる。ロッキードと共同開発したT-50練習機や、同機を改修しインドネシアや比へ輸出する軽攻撃機FA-50の知見を生かせるからで、「1個エンジンの方が、価格的にも性能的にも説得力を持つ」と同社幹部が述べている
●韓国の民間シンクタンク研究者は、2個エンジンを目指して開発費が膨張すれば、国産アビオニクス開発への投資が削減されることを懸念している。特に国産予定のAESAレーダーやアビオ装備への影響を心配している
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大いに戦闘機に投資して自滅して頂きたいものです
Korea KF-X4.jpgそれから、ASEANの主要国であるインドネシアやフィリピンと韓国の関係強化は、日本としても注意が必要でしょう
しかし・・・韓国は今や、日本との対峙を睨んで国防力強化を推進するようになり、そのことを「口に出して」表現するようになりました。
以前は、ライバル意識から日本には負けられない、といった感じでしたが、今や直接対峙も念頭にあるようです。北朝鮮などあまり眼中にない雰囲気です。
韓国軍&韓国軍需産業の話題
「F-35で国産機開発支援を要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-31
「韓国の軍需産業躍進」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-02-23-1
「韓国がイラクへ練習機輸出」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-15-1
「韓国にTHAAD配備!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-30
「米国が日米韓情報共有を要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-18

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