7日付Defense-Newsは、米国防省が主導して英豪加NZと共に、科学技術に関するビックデータ分析装置を活用し、効率的に技術開発を進めようとの試みを始めるようだと報じています。
週中にも国防省が発表するらしい「International S&T Engagement Strategy」は、最新のビックデータ分析技術を国防分野に有用な一般技術の掘り出しに活用することを主眼にしているようです。なお「S&T」はScience and Technologyの略です
7日付Defense-News記事によれば
●Al Shaffer筆頭次官補代理(技術開発担当)は、発表予定の新戦略は具体的国名に言及していないが、米国と英豪加NZとの共同運用に焦点を当てていると語った
●上記の国の間では、既にお互いがどのような分野でどのレベルの研究開発を行っているのかを共有している。
●従って、得られたビックデータ分析結果を活用して興味ある分野を見つけた場合、仮に他国が既に研究投資してる場合は、先行研究を活用してコストを削減できる
●ビックデータ分析結果は、検索容易な形で提供され、米国防省内では17分野の専門家群に関心がある分野のデータを提供する
●Al Shaffer氏は、情報収集と言うよりは、そのデータが必要なグループにデータの存在を気づかせる事に重きを置いていると説明している
●3年前の技術では実現できない最新の自動分析技術を活用する。以前なら克服できなかった問題が、急速な民間部門でのビックデータ分析技術進歩により可能になったのだ
●データ活用に関心のある関係者の集まりが1月に設置され、アイディアを洗練し、重複をなくす努力を行った。データベースは9月9日に稼働し、試験中の検索装置も10月1日頃には運用開始する予定である
●専門家の中には懐疑的な者もいる。例えば、仮に有用なビックデータ分析結果が得られても、組織の「縦割り意識」や「縄張り意識」が克服されない限り、コスト削減に繋がるような効果を発揮するのは困難だとの指摘である
●また、何を優先するのかに関する組織の共通認識がなければ、分析結果を活用することは難しいとの意見もある
●かつての「Defense Innovation Marketplace」がほとんど機能しなかった点を指摘し、細部が不明確なコンセプトに不信感を示す業界関係者もいる。
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最新のビックデータ分析技術を用い、複数の国が協力し、効率的に研究開発や装備品開発を行おうとする取り組みです。
ビックデータを分析して、どのようなアウトプットが得られるのか興味があるところですが、その当たりには言及がありません。ご興味のある方は同戦略発表後、ご確認下さい
ビックデータ分析技術に、ここ数年で大きな進歩があったような書きぶりですが、その当たりも気になります
米英豪加NZというアングロサクソン軍団だから、「お互いがどのような分野でどのレベルの研究開発を行っているのかを共有」可能なのでしょう。
日本も加入できれば、その技術を遺憾なく発揮できるのに。でも、色んな制約が国内に山のようにありますから、実力を発揮するのは容易ではないのでしょうが・・・。