米空軍が欧州でもローテーション派遣TSP

A-10 TSP.jpg9日の週、米空軍はアリゾナ州からドイツの空軍基地に12機のA-10攻撃機を派遣し、TSP(theater security package)を開始すると発表しました。
ロシアによるウクライナ実質介入が始まった2014年以降、米軍による「大西洋の決意作戦:OAR:Operation Atlantic Resolve」を遂行する米空軍部隊が交代で派遣されていましたが、TSPという形式に整理し、継続的にローテーション派遣が行われます
なお、TSPは既に2004年からアジア太平洋地域で開始されておりF-22が嘉手納に派遣されたり、F-16が韓国に派遣されたりしています
10日付米空軍web記事によれば
●米空軍は、アリゾナ州のDavis-Monthan空軍基地の第355戦闘航空団に所属する12機のA-10攻撃機を、ドイツのSpangdahlem航空基地の第52戦闘航空団に派遣し、TSPを開始すると発表した
●12機のA-10攻撃機は、今月いっぱいは同基地に滞在し、その後OAR作戦を支援するため東欧地域に派遣されるだろう
Jones-tom EU.jpgTSPは欧州米空軍によるOAR関連作戦を増強するためのもので、NATO同盟国との更なる相互運用性強化のため、展開しての飛行訓練等を行う
●欧州米空軍のTom Jones副司令官は「昨年から我々は、OARの一環として航空戦力の本土からのローテーション派遣を行ってきたが、TSPは更にプレゼンスを増強し、米国の欧州へのコミットメントが確かなものであることを示すモノである」と語った
●展開部隊はドイツ滞在中、NATO同盟国軍との訓練を実施しするが、同時に「欧州地域に支援インフラを提供し、兵力の増強を支え、欧州大陸でのパートナーシップの深化に資する」とJones副司令官とその効果を説明した
ローテーションはおよそ約半年単位で継続され、派遣戦力は欧州米軍のニーズや任務により決定される。A-10部隊はその最初の部隊である。
●TSPは欧州では初めてだが、太平洋軍エリアでは2004年から開始されている
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F-22Kadena.jpg米空軍が全廃を要求しているA-10攻撃機が、イスラム国対応で中東に派遣され、更に欧州でもウクライナ情勢に睨みを利かせる重責を担うとは皮肉な状況です
アジアにはF-22やB-2爆撃機で、欧州にA-10なのは、正に「ニーズの違い」なのでしょうが、今後の動きにも注意いたしましょう。でもF-22の初実戦は対イスラム国でしたね・・
航空戦力のローテーション派遣関連
「アジア版Checkered Flag」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-04
「F-22嘉手納派遣はTSP」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-01-17
「B-2グアム展開が復活」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-01-23
「B-2の世界派遣再開へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-11-13

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