中国の戦勝70周年軍事パレードに絡め

China National Day parade4.jpg9日付「世界潮流を読む 岡崎研究所論評集」は、習近平中国が実施すると発表している久々の軍事パレードに絡めて、今後の中国や日中関係の動向に関する視点を提供しています
50周年軍事パレードの際はこうだったが、今回はこうかも知れない」、また「今後の外交日程から、このあたりがポイントのなりそう」など、今後の情勢を見る「つぼ」を紹介する論考ですので、ご参考まで紹介します
9月3日開催と言われている軍事パレード
China National Day parade2.jpg●第一義的には習近平の権力掌握を内外に示すことが目的だろう。特に腐敗撲滅の「大トラ」として退治した軍の大物である徐才厚と、治安と法執行を担当した周永康であることから、習近平が軍と治安機関をしっかりと掌握したことを国内に示す狙いがある。
●同時に、中国の国力と軍事力を誇示したいという願望も見える。これも、軍事大国になった中国を国民に見せ、ナショナリズムを満足させ、党と習近平への支持を強める狙いがある
●これらを通じ、習近平への権力の集中を実感させ、中国共産党にとって現時点における最大の課題である「改革の全面的深化」(2013年三中全会決定)を推進したいのでしょう
日本として注目すべき事項
70parade2.jpg習近平政権になってから意識的に進められている抗日記念活動の強化の流れに注目。目的が国内の社会の凝集力の強化にあり、副次的に日本が巻き込まれた状態
抗日戦争勝利50周年の1995年、江沢民は自分の権威・権力を強化するため7月7日の盧溝橋事件の日から9月初めまで続いた記念行事を、江沢民は積極的に主導した
習近平政権の抗日記念活動の強化は、昨年から目につき始めた。9月3日を抗日戦争勝利の記念日とし、12月13日を南京大虐殺の犠牲者追悼日にして行事を行っており、今年の動きが注目される
日中関係と日米関係
70Parade.jpg戦後70周年の首相談話については、5月の連休に想定されている総理訪米が極めて重要になる。ここで日米のすり合わせがなされ、その内容が首相談話に反映されれば、本年の戦後70周年は、日本にとってプラスとなる
日中関係を前に進める事に関しては、今年の前半、日中間に首脳を巻き込む行事がないことから、取り掛かりをつくるのが難しいただ日中韓三国外相会談が動き始め、首脳会談も実現すれば、打開の道は開ける
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China National Day parade.jpg中国の外相が「日本の首相も招待する」と発言している軍事パレードですが、その周辺の政治外交日程も含め、色々とありそうな予感です
中国の指導者が替わっても、「中国国内の凝集力強化」に「抗日」が利用される流れに変化を期待出来そうもありません
「5月の連休に想定されている総理訪米」と日米首脳会談に期待がよせられていますが、どうなんでしょうか・・・
46人もの米共和党上院議員が、「オバマ政権がイランと核開発で何らかの合意を行ったとしても、次の大統領はその合意を履行しない」との趣旨のレターを連名で署名してイラン政府に送付したようです。
ホワイトハウスはこの前代未聞の行動に怒り心頭ですが、この様なゴタゴタ模様の米国で、「戦後70周年の首相談話」は如何なる反応に出会うのでしょうか
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「政府関係機関高官の中国話」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-28-1

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