5日付defense-Newsが、米海兵隊が電子戦分野に注目して組織的に対処を開始している様子を取り上げています。
イラクやアフガンでの相手ではなく、「より手強い相手」を想定し、戦術検討組織の強化や特別訓練コース設置等の動きがあるようです。
同時に電子戦分野で米海兵隊が直面する課題として、これまで電子戦を支えてきたEA-6Wがまもなく引退し、代替機の計画が無い状態で将来に備える必要がある実態も紹介されています
5日付defense-News記事によれば
●2年前、海兵隊の電子戦検討部署MAWTS-1(Marine Aviation Weapons and Tactics Squadron 1)内部に、電子戦検討チームが編成され、1年後には一つの「課」に発展した
●同時に、海兵隊の戦闘技能指導者養成コースで、電子戦に関する教育訓練がより大きな比率を占めるよう教育カリキュラムが変更された
●MAWTS-1の指揮官であるJames Adams大佐は「過去2~3年で我々が焦点を移したのは、電子戦、電磁スペクトラム、サイバー分野であり、かつて物理的破壊に当てていた時間を大きく再配分した」と説明した
●Adams大佐は同時に、教育訓練の焦点を、より高度な航空脅威や対空脅威に向ける変革を行っているとも述べた
●先述の戦闘技能指導者養成コースには、海兵隊の電子戦やサイバー戦部隊が訓練を支援する「cyberspace and electronic warfare coordination center」も新たに設置されており、
●また同養成コースでは、戦術や理論の講義だけでなく、実戦形式の訓練も含まれており、多様な部隊と連携して攻撃や攻撃支援作戦を行わせ、実際の効果を確認させていると同大佐は説明している
●また海兵隊は「Special Purpose Marine Air Ground Task Forces」を設置し、海兵隊部隊が新たな環境下での戦術を検討する支援を行わせている
●これまでの同「Task Forces」の取り組みとして、オスプレイやKC-130を活用した機体や搭乗員救出作戦の洗練見直し等が挙げられる。
●またエボラ出血熱への対処等の緊急事態対処もこれに含まれ、4機のオスプレイと2機のKC-130給油機でのチーム編成が実際に適応されている
EA-6B Prowlerの引退に備え
●海兵隊が電子戦に力を入れる背景には、3個飛行隊27機で海兵隊の電子戦を支えてきたEA-6B Prowlerが、2019年には引退する計画があるからである
●海兵隊はEA-6B引退後、その任務を広く海兵隊内の無人機を含む固定翼や回転翼機、更には地上部隊に分散する構想である。
●EA-6B引退後を見据えた変革は、海兵隊内の「Marine Air Ground Task Force EW」が司り、どのように任務を分担し、新技術を活かすかを検討することになる
●EA-6Bの強力な「ALQ-99 jammer」を代替出来る単一の機体は存在しないが、例えば、FA-18が「Intrepid Tiger II pod」を搭載したりして対応することが検討されている。
●同podはオープンアーキテクチャーで、新たな能力を追加付加するのに柔軟性があり、低コストで開発され、既存ミサイルと同サイズで機体改修やソフト改修がほぼ不要な点で優れた「新装備」として注目されている
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海空軍だけでなく、地上戦力も「電子戦」の「新たな脅威下」での重要性を認識し、取り組んでいることをご紹介すべく取り上げました。
自衛隊はもっと危機感を持って、電子戦に取り組んで欲しいものです。戦闘機を犠牲にしても・・・
本当は、海兵隊の電子戦についてご紹介する前に、海兵隊全体の「新たな脅威下」での任務や役割、更に戦い方をご紹介出来れば良いのですが、そのあたりについてはさっぱり聞こえてきません
つまり何も検討されていない、何も改革する必要がないと認識されている・・・状態に近いと思われます
エアシーバトルの検討も、国防省内のエアシーバトル調整室を潰すことで葬り去った米陸軍と海兵隊ですが、その後ろ向きな姿勢が、いつか陸軍や海兵隊兵士の身に牙をむいて降りかかることが無いことを祈るばかりです
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