29日米国防省のケンドール国防次官は、2018年以降の3年間、海外輸入国と共にF-35を毎年400機以上購入することを確約し、価格を低下させる計画を進めていると語りました。
ノルウェーのオスロで開催されている、F-35パートナー国会議の後で電話会見した際の発言ですが、パートナー国ながら購入を「未決定」のカナダやデンマークへの誘い文句であり、日本やイスラエルに追加購入決断を迫る恐ろしい交渉術です
30日付米空軍協会web記事によれば
●ケンドール次官(調達兵站担当)は、2018年から3年間の世界中のF-35購入を束ねて「block buy」にし、「二桁の割引:double digits」を確保する計画を進めていると語った
●米国の予算制度で言う「複数年調達:multiyear procurement」で、米議会の承認が必要だが、「かなり楽観的だ」と電話記者会見で述べた
●米国とF-35開発パートナー国、更にFMS購入国の購入を2018年からの3年間確定して取りまとめることで、製造企業が安心して部品調達や人員確保など生産計画を進められ、極めて効率的な生産が可能になる
●まとめ買いにコミットした国は、「プレミアムな扱い」や「価格面での優遇」を期待できることから(F-35)計画への参画意欲が高まる。
●ケンドール次官は「(オスロ会議出席の)全ての開発パートナー国は興味を示してくれた」と述べたが、まとめ買い契約で得られるであろう具体的な予想価格には言及しなかった
●カナダとデンマークは、パートナー国ながらF-35購入を「未決定」である
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これは見栄えの良い「悪徳セールス」ではないでしょうか・・・
まだ開発中で、ソフト開発や整備支援システムが大きな問題を抱え、カタログ性能発揮も確約されていない戦闘機を、「まとめ買いを約束したら安くする」と押し売りです
ケンドール次官の「面構え」からすればお似合いですが、日本のようなFMS国を対象にする恐ろしい話です
このパートナー国の「オスロ会議」は、以前ほど険悪な雰囲気ではなかったようですが、戦闘機への大量投資自体が根本の問題であって、その点を忘れてはなりません