26日付Defense-Newsは、仏企業が中心となり欧州諸国が協力して開発中の無人ステルス攻撃機「Neuron」が、既に12回の飛行試験を終え、今後は本格的な作戦飛行試験を行うと報じています。
2003年にスタートした「Neuron」計画ですが、2012年12月に初飛行に成功し、イタリア国内の空域で試験飛行を積み重ねてきたようです。
仏のDassault Aviationの関連webサイトでは、「技術の成熟度や効果をデモすることで、軍事任務の遂行ではない」と「Neuron」計画の目的を掲げていますが、既に空対地任務のデモを終了したとの記述も有り、「看板と実態のギャップ」が大きいとの印象を持ちました
26日付Defense-Newsによれば
●25日、(Neuronのイタリア国内での飛行試験を担当したと考えられる)Alenia Aermacchi社は、12回の飛行試験により、「Neuron」のレーダー反射率や赤外線放射について確認出来たと発表した
●試験は伊サルディニアのDecimomannu空軍基地で行われ、ユーロファイターや地上レーダーによりステルス性能の確認が実施された
●仏国内での(別の)飛行試験は既に終了しており、今後はスウェーデンで機内爆弾庫(internal bay)からの兵器投下試験を行う予定
●同計画は、仏のDassault Aviationがリードし、Italian, Swedish, Spanish, GreekそしてSwissが参画しており、企業としててはAlenia Aermacchi、Saab、Airbus Defence and Space、Ruag及びHAIが参加している
●英国と仏政府は昨年、総額約230億円の無人攻撃機技術協力に合意しており、「Neuron」計画で得た知見を活用するものと見られる
仏のDassaultの関連webサイトによれば
●既に試験飛行で確認された事項
—有人現有作戦航空機と同サイズの無人航空機に対する指揮統制機能の技術、及びそのバックアップ機能
—空対地任務能力、併せて自動モードで地上目標を探知して位置を特定し、偵察を行う能力
—地上及び空中の脅威からのステルス性、レーダー反射率と赤外線放射量
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無人ステルス攻撃機は、米海軍のデモ機X-47Bにしても、少し大型の米空軍次期爆撃機LRS-Bにしても、みんな形状が同じようで見分けが付きません(少なくとも私には)。
世界では、有人ステルス作戦機の開発より、無人タイプが優先されているように思いますが、日本では未だに「心神」とか「・・・実証機」とか有人機にしがみついています。
航空自衛隊が有人機にしがみつく理由は単純で、航空機の機数を維持して操縦者の定数を死守し、操縦者が職を失うこと(パイロット手当を失うこと)を避けるためです。
組織にその思考や行動パターンがDNAレベルで刷り込まれ、「体制」に危機が迫れば、冷戦時に形成された時代遅れの対処要領がそのままくり返される有様です。
普通の感覚があれば、無人機の活用が重要なことに気付くでしょうし、そんな人間も多いはずです。特に非操縦者の中で常識人は増殖しています。
それなのに議論や発言を封じているから、理由無く過去の行動パターンをくり返している「戦闘機命派」が組織を支配しているから、空自の組織にほころびが見え始めたのでしょう・・・・
戦闘機命派の支配から脱せよ!!!
「悲劇:F-3開発の動き」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-18
「ヨシハラ教授:日本は分際を知れ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-18
「戦闘機の呪縛から脱せよ」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-04-16
「脅威の本質を見極めよ」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2012-10-08
「世界共通の中国軍事脅威観」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-30