SM-6が弾道ミサイル迎撃試験にも成功

Syring SM6.jpg3日付米ミサイル防衛庁(MDA)発表によれば、7月28日にハワイ周辺海域で行われた艦艇防空ミサイルSM-6の試験で、短距離弾道ミサイル模擬目標の迎撃に成功したようです。
SM-6は、対艦巡航ミサイルや航空機を迎撃するのを主目的とした防空ミサイルですが、SM-3(ミッドコース要撃)と組み合わせ終末段階の弾道ミサイル防衛も担わせようと能力向上試験が進められてきたところです
またSM-6は米海軍のNIFC-CA構想で、データリンクCECを活用して発射艦艇の見通し外目標にも対処する役割を期待されており、実験も進んでいるミサイルで、既に米海軍発注1800発の量産にも入っています
巡航ミサイルと弾道ミサイルの両方に対処可能な、「画期的」な艦艇防空ミサイル(射程約200nm)として、今後の活躍が期待されます
8月3日付MDAの発表
→http://www.mda.mil/news/15news0007.html
4日付米海軍協会web記事によれば
SM-6 Dual I.jpg●米海軍とレイセオン社は、SM-6ミサイルの改良型「SM-6 Dual I」が、巡航ミサイルや航空機だけでなく、弾道ミサイルに対処可能なことを証明した
●7月28日、ハワイのカウアイ射撃場で行われた海上配備BMDシステム試験で、駆逐艦「USS John Paul」から発射された同型SM-6は、弾道ミサイル模擬目標の迎撃に成功した
●その後3日間にわたって行われた試験で、SM-6は航空機と巡航ミサイルにも対処可能なことを証明している
●ミサイル防衛庁MDAの担当部長James Syring海軍少将は、「この試験はSM-6の終末段階BMD能力を示しただけでなく、SM-6が多様な目標に対処可能であることを示した点で重要である」との声明を発表した
●これまで米海軍は「SM-2 Block IV」を終末BMDに使用することを想定してきたが、「SM-6 Dual I」がこの役割も果たすことが出来る
改良型SM-6は、来年米海軍艦艇に提供される。なお、現時点でSM-6をBMDに活用可能なのは、BMDと防空を並行して実施可能な「Baseline 9」システムを搭載したイージス艦のみである
●またSM-6は、艦艇の垂直発射管(VLS)に搭載することができ、艦艇の兵器格納スペースを有効活用できる
●レイセオン社は、既に180発のSM-6ミサイルを海軍に納入し、総計1800発の納入に向け量産を開始している
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Aegis.jpg米海軍の目指すネットワーク戦「NIFC-CA」が、敵の妨害を受けずにどれだけ有効に機能するか、大きな「?」が付くのですが、現状として中国のA2AD対処にこのような取り組みが続いています。
先日ご紹介したように、豪州も「Plan Jericho」で米軍との連携を探り、日本も防衛大臣がNIFC-CA構想への参画を示唆しています。
何となく「泥舟」のような気もしますが、とりあえず同盟国の連携強化は結構なことなのでしょう・・・・。
関連の記事
「豪軍がEA-18GでJericho計画へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-01
「日本もNIFC-CAに?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-11
「米海軍NIFC-CA構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-26
「NIFC-CAとSM-6連携」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-27
「NIFC-CAで空軍と協力」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-23

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