トルコから米ペトリ撤退&プーチン「シリア地上戦なし」

Putin3.jpg11日、プーチン大統領は露TVインタビューで、「地上部隊による作戦は計画していないし、シリアの仲間も承知している」と語りました。
シリアにロシアから派遣されているする兵員数が増加していると指摘されている中、地上作戦については否定しています
一方、トルコとシリア国境付近でのロシア軍機のトルコ領空侵犯や、在地ロシア軍やシリア軍によるトルコ領内を飛行するトルコ軍機への「ちょっかい」が懸念される中、トルコ南部に展開していた米軍パトリオット防空ミサイルが撤退を開始しました。
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米軍防空ミサイルのトルコ撤退はトルコ軍が防空ミサイル選定で中国製に「ないびいて」、NATOシステムとの連接を不可能にする等の動きを見せた事が背景にある動きで、以前から発表されていたものですが、時期が時期だけに、米国の姿勢を象徴するものとして注目を集めています
プーチン「シリアで地上作戦はしない」
●11日、プーチン大統領はロシアTV「Rossiya-1」のインタビューで、「地上部隊による作戦は計画していないし、シリアの仲間も承知している」と語った
●プーチンは9月にロシア議会からシリア空爆の許可を受けているが、ロシア当局は地上部隊の派遣を強く否定していた
Putin-decree.jpg●プーチンはTVで、ロシア軍事作戦の目的は「合法的な権威の安定と政治的妥協の条件を整えることだ」と語った
●(カスピ海からの巡航ミサイル発射を受けたやりとりで、)プーチンは西側との「arms race」をするつもりはないと語る一方で、「近代兵器は進歩し変化し続けているし、他国では更に早く進歩している。だから我々も追いついて行く必要がある」と述べた
ロシア国防省は11日、過去24時間で63目標を攻撃し、テロリストの指揮所、防御拠点、弾薬貯蔵庫を破壊したと発表した。また米国との偶発事案防止の話し合いに、進展があったとも説明した
●しかしプーチン大統領は、米国等の多国籍軍が、ロシア側の空爆開始に際して十分な事前の情報提供が無かったと非難している件について強く反発し、「はっきりしておきたいが、我々は(西側諸国に)軍事作戦実施を控えるよう警告したが、ロシアの軍事作戦やその計画に警告したものは誰もいなかった」とまくし立てた
米軍防空ミサイルがトルコから撤退開始
Turkey China2.jpg●トルコ政府関係者は、米軍がトルコ南部に展開していたパトリオット防空ミサイルの撤退を開始したと明らかにした
●米軍の防空ミサイル部隊は、シリアからのミサイル攻撃に備え、トルコがNATOに要望して派遣された部隊で、トルコ南西部Gaziantepの第5機構旅団の領域をカバーする地域に展開していた
●8月には、ドイツ軍がトルコに派遣していた同様の防空ミサイル部隊も派遣終了を発表しており、オランダもこれに続く意志を明らかにした。米軍は部隊の展開を延長せず、10月末で任務を終えると発表していた
●最近のロシア軍機によるトルコ領空侵犯を受け、米国はトルコがNATOメンバーであることを再確認する声明を発表し、トルコは同ミサイルの継続展開を要望したが、米軍ミサイル部隊の装備は、移動のため地中海沿岸のイスケンドール港に運び込まれた
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PAC-3 Saudi.jpgトルコと中国の防空ミサイル交渉がどうなっているのか承知していませんし、本件に関するNATO諸国からトルコへの警告がどうなっているのかも現時点で不明です
それでも、各国の利害が複雑に絡みつつ、様々な思惑が交錯する中、ますますシリアや中東情勢は混沌の中に沈んでいくようです。
中国製導入に傾くトルコの防空システム選定問題等
「トルコ大統領訪中:ミサイルは?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-30-2
「NATOと連接しない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-20
「4度目の延期」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-04
「トルコが中国企業と交渉開始?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-09-27
「イスラエルはF-35を中東で独占可?」
→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-13

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