涙ながらにオバマ大統領が訴えた・・・
5日、オバマ大統領は米国で頻発する銃による暴力事件への対策として、大統領権限を行使して実施する限定的な措置を発表しました。
オバマ大統領は、2012年12月に小学校で発生し児童20人が犠牲になった銃乱射事件について言及し、涙を流しながら更に意義ある制度改革に反対する議会を罰するべきだと、国民に訴えました。
「その子どもたちのことを考えるたびに、怒りが込み上げてくる」と言って涙を拭った大統領は、「だからこそ、われわれ全員が議会に対し、銃ロビー団体の虚言に立ち向かう勇気を持つよう要求していかなければならない」と呼び掛け、ロビー団体が「下院を人質に」と共和党の姿勢にも非難をあらわにし、国民の支持を求める姿勢を打ち出しています
今回の大統領権限行使を持ってしても、銃乱射事件を完全に防ぐことはできないだろうとも大統領は認めており、大統領権限行使を憲法違反だと訴訟も予期されているようですが、何とかならないものかと思います。
本日は大統領が命じた、米国防省の本件に関する役割について簡単にご紹介します
5日付Defense-News記事によれば
●大統領は「米国で銃を使って自殺する人の割合は他国を大きく上回っており、銃の乱射事件の頻度も他国を遥かに上回っている」と訴えた
●大統領権限の行使で可能な対策として、武器販売ルートの記録強化、銃購入者の身元確認強化、メンタル異常者ケアへの投資、政府内の各種関連機関の連携強化等々を指示した
●これら措置の多くがFBIや武器や爆発物、アルコールやタバコ規制当局の担当であるが、大統領は国防省にも「銃の暴発や不正規使用の頻度を低下させる安全技術に関する調査」を命じた
●このような調査は、法務省や国土安全保障省も命じられているが、これら3省庁は4月中旬までに「考えうる技術を実社会にどのように適用するかに関する戦略」を取りまとめるよう指示されている
●暴発等を防止するいわゆる「smart gun」技術は、銃の所有権を主張する人達にとっては個人の自己防衛権を侵害するものとして反対の対象となっている
●大統領は、「smart gun」技術に関する調査研究を更に進めるだけでなく、国防省の作戦行動においても「行動上のニーズと両立が可能な場においては適用範囲を拡大」することを求めている
●現在米国社会には約3億1千丁(310 million:原文のまま)の銃が存在すると議会調査局は推定している。なお、米軍は小銃等を約270万丁保有している
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欧米社会において、人前で涙することは「弱さ」を見せる行為なのでしょうが、涙もろい日本人としては同情の念を禁じえません。
強力なロビー団体であるNRA(全米ライフル協会)や共和党の皆さんの考え方を良く把握しているわけではありませんが、少しは何らかの対策を打ち出したほうが良いのでは・・・と思います
オバマ大統領のスピーチで一番好きな
「ノーベル平和賞」の受賞スピーチ
その1→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-12-31
その2→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-01-01
その3→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-01-02