宇宙アセットの防御予算は8割不足?

Beauchamp.jpg1月28日、米空軍省のWinston Beauchamp宇宙担当次官代理が講演し、宇宙ドメインを他ドメインと同等に扱う取り組みは始まったばかりであることや、宇宙ドメインの強靭性「resiliency」強化には同盟国等との連携協力が不可欠だと語っています
特に、宇宙アセットの防御への投資が不十分であることの「主張論理」が面白いので、ご紹介します
1日付米空軍協会web記事によれば
●米空軍協会Mitchell Instituteの朝食会で講演したBeauchamp次官代理は、宇宙ドメインを他ドメインと同様に扱う取り組みを始めているが、まだまだプロセスは進行中だと語った
●Beauchamp氏は「宇宙における任務遂行をより確実なものにするため、改善の必要性は古くから理解されているが、宇宙能力へのアクセス確保など不十分な部分への取り組みは、ここ2~3年で始まったばかりだ」と語った
GPS III 2.jpg●(宇宙アセット防御への投資が十分でないことを説明するため、)Beauchamp氏は「空母1隻を運行する予算自体は、空母を防御するために搭載される航空部隊や艦艇部隊、その他アセットの運用経費の1/5以下に過ぎない」と語り、
過去35年間、我々は8割オフの経費で宇宙アセットの運用を行ってきたのかもしれないと同次官代理は語り、効率的に任務を遂行してきたのかもしれないが、(現在の)脅威を前にして、強靭性やアセットを防御する能力が無い状態に陥るだろうと表現した
●また、米空軍は強靭性を増強する手段を検討しているが、パートナー国等との国際協力も含まれると語り、「一人では戦わない、コアリションとして戦う」と説明した
●そして「多国間の協力は、潜在的敵国の目標選定を複雑にする」と効果を表現し、更に現下の予算状況では、同盟国等が既に配備している宇宙アセットを活用することが道理にかなっていると語った
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Beauchamp2.jpg空母の防御費用は、空母自体の運用経費の5倍以上の経費」とのくだりは、恐らく空軍や国防省内部での予算獲得議論で使用した「論理」なのでしょう
「ここ2~3年で始まったばかり」とは正直なご発言ですが、実態に向き合うことが大切です。日本政府にもこの姿勢が必要でしょう
米空軍の宇宙への取り組み
「空軍長官:宇宙への姿勢をシフト」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-19-1

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