1日、カーター国防長官は、89もの民間企業や大学や研究機関やベンチャーキャピタル等で構成されるハイテク新繊維素材を研究開発する連合体の発足を発表しました。
MITで講演したカーター長官は、同連合体「Advanced Functional Fabrics of America」を、関連分野で技術を要する選ばれた企業等で編制されたグループだと紹介しています
色々な応用可能性に言及していますが、その応用分野は限りないと語り、今後企業等連合のシナジー効果が生み出すであろう様々な装備や兵器に期待を寄せると同時に、参加した企業等が自社の製品等に生かすことで「win-win」な関係を構築したいと考えているようです
1日付米国防省web記事によれば
●カーター長官は本コンソーシアムが生み出すものを、「画期的な繊維や織物で、柔軟な集積回路やLED、太陽発電素子、各種センサーや様々な能力を織り込む事で、見たり、聞いたり、感じたり、通信したり、エネルギーを蓄積したり、温度管理したり、体調をモニターしたり、色を変えたり等々が可能なものである」と語った
●この連合体には、国防省が約85億円を出資するほか、公的機関や私的機関から約270億円の資金が提供される
●カーター長官は、この繊維や布が膨大な潜在能力を秘めていると語り、パラシュートに織り込む事で使用者の生死に関わるパラシュートの傷や破れを探知したり、戦闘服に織り込む事で化学・生物兵器の探知機能を持たせる可能性もあると語った
●また、戦闘服に戦場負傷者の体調モニター機能を持たせて必要な医療品を判別させることや、テントの素材に熱を保存や生成する機能を織り込み、暖房用燃料を節約することも想定されるとも述べた
●更に靴下程度の重さの靴や、新繊維素材を壁や床や構築物、耐熱性の超軽量防火服なども考えられ、民生での「wearables」分野への応用も考えられる
●カーター長官は、多様な脅威に対処し、技術優位を確保するため、積極的に技術革新に投資していると述べ、「ロボット技術、バイオテクノロジー、サイバー防御、電子戦、極超音速エンジン等に更なる発展を期している」と語った
●国防省はまた、人材がペンタゴンに出入りしやすい環境作りに取り組んでいる。長官は「米国の心ある有能な人材が国防任務に貢献でき、軍事技術と民生技術が相互に作用しあって全体の技術革新に繋がる生態系がより発展するように」と望みを述べた
●国防省はこのコンソーシアムとは別に、「Boston」「Silicon Valley」「Austin」「Seattle」等をハブとする、民間企業等との技術革新パートナーシップを構築しつつある
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いろいろな技術優位確保策が同時並行的に進められており、頭の整理が出来ない状況ではありますが・・・
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