中国防省報道官:米海軍は南シナ海で注意せよ

Yang Yujun.jpg3月31日、中国国防省の報道官が(定例)会見で、米海軍艦艇が南シナ海で「航行の自由作戦」を行っていることや、米比が基地使用に関する合意に達したことに関する質問に対し、「米海軍は注意せよ」と述べたようです
このYang Yujun報道官は、かっこよく会見する写真がネット上に溢れる「お馴染みの情報発信マシン」で、その発言を細かに分析する意味がある人物ではないと思いますが、いかにも中国らしい、自分中心で周りが見えていない様子を示す典型的事例かと思いますのでご紹介します
3月31日付Defense-News記事によれば
3月末、米国はフィリピンと、米軍のアクセスを拡大する比軍5基地を決定したと発表した
●米軍は昨年10月以降、南シナ海で中国が埋め立て拡大した島の12マイル以内を、米海軍艦艇が2回にわたり通過する「航行の自由作戦」を実施している
Yang Yujun 2.jpg●これらの南シナ海を巡る情勢を背景として、最近の米海軍艦艇の南シナ海活動について質問されたYang Yujun報道官は、「米海軍の当エリアでの活動に関しては、注意せよとのみ言うことが出来る:I can only suggest they be careful」と述べた
●また「米国が戻ってきており、当該地域でプレゼンスを強化しつつあるが、これは南シナ海の軍事化を進めるものだ」と同報道官は米国を批判した
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軍事的に見れば、正しいアドバイスだと思います。
日本の評論家の中には、中国は手も足も出ないと言う方がいますが、手も足も出さなくても好き放題出来るのですから、「なま暖かく」見守っているのでしょう
しかし、中国海軍や「武装漁民」や武装沿岸警備隊「海警」の最前線がどれだけ統制されているのか不安です。米側には「航行の自由作戦」しか手段がない状況ですから、米軍には頑張って頂きたいですが、十分注意して頂きたいです
でも大きく見れば、中国にとって役に立たない発言です
Yang Yujun 3.jpg中国は、埋め立て島の国際法上での解釈説明を避け、レーダーや滑走路やミサイルを配備して実行支配力を強化しています。激しい「塩害」を克服して航空機やヘリが配備できれば、制空権を握ることが出来るのでしょう。淡々と進められる環境です
ですから中国国防省の報道官は、淡々と「地域の緊張感を高める振る舞いは止めるべき」程度の「お経」を唱えておけば良いのであって、「be careful」とまで踏み込む必要は全くありません
ネット上の写真のように偉そうにしていると、後ろから、内部から刺されますよ・・・
中国軍と「航行の自由作戦」
「海上民兵:maritime militia」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-04
「西沙諸島に中国戦闘機展開?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-02-1
「米海軍筋が航行の自由作戦を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-01
「米比合意も課題山積」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-24

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