26日付Defense-Newsは、韓国が2025年製造開始をもくろむ韓国史上最大の兵器開発計画(約2兆円)国産戦闘機KF-X計画に関し、搭載エンジンを米国のGE製とする方向だと韓国国防省関係者が語ったと報じています
KF-Xのエンジンに関しては、ロールスロイスを中心とする欧州企業群とGEグループが競っていましたが、韓国国防省の国防調達計画局(DAPA)報道官は、「エンジンの最終契約は6月になる予定だ」とAFPに語った模様で、米国企業群に落ち着くようです。
なおKF-X計画は、2015年3月に選定された韓国航空工業(KAI)が中心となって事業を進める事になっています。
ただし、インドネシアも関与することになっており、経費負担は韓国が6割、インドネシアが2割、残りの2割を担当企業が負担する事になっています。またインドネシア人100名が開発や生産に関わることになっていると記事は伝えています
ついでに、韓国の将来戦闘機構想や経緯を復習
●韓国は将来の戦闘機態勢を、2018年から導入が開始される40機のF-35Aと、約120機の国産KF-Xで構築しようとしています。
●2013年11月にF-35導入を決定し、2014年にKF-X国産開発を決定した際は、F-35契約に絡めて米国からKF-X中核技術を導入しようと交渉が行われましたが、米国は認めませんでした
●中核技術とは、「AESAレーダー」「光学目標照準POD」「赤外線捜索救助システム」「無線通信妨害」の4つを指すことが一般的です
●最終的にはパククネ大統領が、2015年10月に訪米した際にも米国側に要求しましたがあっさり拒絶され、以後は国産も可能だとか、他の外国企業から売り込みがあるとか、負け惜しみ発言を連発しているところです。
搭載装備を巡るあれこれ
●例えば「AESAレーダー」に関しては、欧州のSaabやFinmeccanica(英伊企業グループ)、イスラエルのIAIが売り込みを行っており、米国のNorthrop Grummanも「非常に興味を持っている」とコメントしています
●一方で自国開発可能との韓国国防省の姿勢は、韓国メディアにより「米国との交渉失敗を隠すための言い訳で、実現可能性はない」と厳しい非難の対象となっています
●エンジンに関しては、性能を追求して2個搭載するか、経費枠を考えて1個に抑えるかで激論がありましたが、韓国経済の現状を無視した軍人OBなど声の大きい勢力に押し切られ、「2個」になっています
●2個に大反対の国立韓国国防研究所は、非現実的で実現困難な技術要求と問題視し、経費が2倍になる恐れや海外競争力が無くなる点、更に経費圧迫で国産アビオ搭載が難しくなること等の問題点を指摘しており、今後も揉める可能性大
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韓国経済が急降下する中、なま暖かく見守りたいと思います。
でも隣国なので、一応、「戦闘機ばかりに投資していると自滅しますよ!」とアドバイスを送っておきます。更に「日本を反面教師にしたほうが良いですよ」ともお伝えしたいです
韓国KF-Xや戦闘機関連のゴタゴタ
「KF-Xのハイテク装備は?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-26
「米が技術提供拒否で大混乱」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-28
「KF-X計画公式発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-01-1
「韓国F-35とKF-X」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-25
「韓国KF-Xは2個エンジン」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-22
「F-35がらみでKF-X支援要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-31
「F-35に最終決定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-22-1
「急転直下:F-35を選定か?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-10-19