マケイン議員:フラットで機敏な国防省に改編を

McCain-630.jpg6月29日、マケイン上院軍事委員長が講演で、米国防省が今日の複雑な紛争や地域緊張に十分対応できていないとの見方を示した上で、2017年度予算関連法案で国防省や米軍組織改革を含む検討チーム設置等を提案し、フラットで機動的で柔軟な国防組織を追求したいと述べました
また、この動きに対しカーター国防長官が「micromanagement」だと批判的なコメントをしたことについて、「想定内」だと言及し、協力して意思決定に繋げたいと語りつつも、国防省と議会との関係については微妙な表現で語っています
政権交代を見据える中で、また米軍の指揮系統やコマンド編制等を定めた「Goldwater-Nichols法」の30年ぶり改正議論もある中、議会と国防省の関係が今後どうなるのか・・・そんな議論の実況中継です
30日付米空軍協会web記事によれば
McCain3.jpg29日、マケイン上院議員は「Bipartisan Policy Center」で講演し、今の米国防省は、米国が直面している世界的で戦略的な課題に対処するような組織構造になっていないと訴えた
●そして、国防省は機能毎に縦割りだったり、地域毎に担当を分割しており、それぞれが別々に個々に戦っている。「単純に言えば国防省は、組織の戦略的な融合や、機能別組織を束ねて課題に立ち向かうのに四苦八苦しており、またその中で効率性を追求するのに窮している」とも表現した
●更にマケイン氏は、「現在の戦略環境で成功を収めるには、機能別や地域別の壁を除去し、戦略的な融合を進め、フラットで機敏で柔軟な組織が求められる」とも語った
●そして同氏は、2017年度の予算関連法案(defense authorization bill)に、これら問題を議論する6つの組織横断検討チームの設置を国防長官に求め、地域戦闘コマンドの一つを統合タスクフォース司令部のように改編すること等を提案していると説明した
2017Budget5.jpg●なお、この様なマケイン委員長の取り組みに対しカーター国防長官が「micromanagement」だと批判的なコメントをしたことについて、「予想できたヒステリックな反応で、西洋文明社会の終焉を思わせる」、「既得権益を守るための抵抗は、如何なる改革にも付きものだ」と切り捨てた
●またマケイン議員は、より不安定に向かいつつある世界情勢の諸問題に対処するため、政府と共に協力的な意思決定過程を望むと語り、イスタンブール空港でのテロ事件等の事案に言及した
●しかし議会と国防省との現在の関係については、「あるべき姿だとは思わない」と表現した
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西洋文明社会の終焉を思わせる」とか、「既得権益の守るための抵抗」とか、結構辛辣な言葉が並んでおり心配にもなりますが、この様に軍事や国防問題に精通した議員や政治家や閣僚にいることをうらやましく思います
「人殺し予算」発言とその発言に反論しなかった野党第一党の政調会長、東シナ海上空での中国軍機と自衛隊機の接触を「特別な行動ではないと判断をしている」と述べた政府高官、政治的手腕や政策を問わず世論調査の人気度で都知事候補を選ぶ各政党などなど、梅雨空以上に気持ちが滅入る「日本の政治屋情勢」です
ペンタゴンのプラット組織検討
「階層縮小で人員削減」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-26-1
Goldwater-Nichols法関連の記事
「先制攻撃:国防長官の改正案」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-06
「国防省がGN法改正検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-05
「国防長官が同法改正に言及」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-03
「統合参謀本部の削減検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-16

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