中国がロシアからSu-35受領開始!?

Su-35.jpg中国国営の英字紙が、昨年12月末に4機のSu-35をロシアから受領したと報じた模様です。具体的に中国のどの基地に到着したのか、どのように輸送されたのか、今後の予定など細部に触れていないようですが、その長い航続距離を生かし、南シナ海や日本周辺で活用されると見方が一般的なようです
ロシアは、数年前に最新型の多用途戦闘機であるSu-35を既に極東に配備しており、従来のSu-27戦闘機の約1.5倍の行動半径から日本周辺での活動に注目が集まっているところです
中国とロシアは、5年間に及ぶ紆余曲折の交渉を経て、2015年11月に24機のSu-35を約2300億円で売却する契約を結んでおり、報道が確かであれば、その最初の4機が到着したことになります
中露間ですんなり戦闘機売却交渉が進まなかったのは、極東ロシアへの中国の勢力拡大を懸念することもありますが、中国がロシアからの輸入装備を無断でコピー製造する悪質な前科者で、過去にもSu-27を無断コピーしたと言われる中国製J-11Bが問題となっているからです
9日付Defense-News記事によれば
Su-35 2.jpg●航空機の移動をライブで公開しているwebサイト「Flightradar24」によれば、ロシアのIl-76大型輸送機がチャーターされ、昨年12月25日にSu-35の工場があるコムソモリスクを離陸し、中国空軍の試験実施基地である「Cangzhou-Cangxian」を経由した後、南シナ海に最も近い空軍基地「Suixi」に到着している
●このIl-76輸送機がSu-35と関係があるかは不明確だが、Su-35を伴っていたり、関連装備や部品を輸送していた可能性がある。なお中国軍はSu-35に関し、公式発表や写真を公開していない
●専門家は中国がSu-35を購入した理由の一つを、同機に搭載されている「Saturn AL-41F1S (117S)」ターボファンエンジンを入手して確認し、また同機の高い機動性を生む「thrust-vectoring技術」を学ぶためだと見ている
中国はここ数年間、国産の戦闘機エンジン開発に取り組んできたが、技術的課題をクリアーできない状態にあり、中国製最新戦闘機のJ-20ステルス機、J-10戦闘機、J-15艦載機も、全てロシア製Saturn AL-31エンジンを搭載している
●また同専門家は、ロシア輸送機が最後に立ち寄った中国の「Suixi空軍基地」にSu-35が配備されることになれば、現在のJ-11B戦闘機よりH-6K爆撃機の護衛をより広範囲で可能となり、また南シナ海上空でのCAP時間を増やすことが出来ると分析している
●なおJ-11Bは、ロシア製Su-27をコピーして中国製エンジンやアビオや兵器を搭載している
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Su-35 3.jpg中国に簡単にコピーさせないよう、ロシアも何か考えているでしょうから、パンダと熊のだましあいに入るのでしょう・・・。
今後の中露関係を見る一つの試金石となるSu-35取引ですが、今後のロシア企業からの「アフターサービス」にも注目です
例えばインドは、国産空母用にロシア製空母艦載機Mig-29Kを45機購入しましたが、購入したエンジンの62%にあたる40台のエンジンがトラブルや設計上の不具合で使用不能の状態にあり、インド会計検査院が「過去25年間に渡り、ロシア軍需産業の劣悪な品質管理やサポート態勢が大きな問題となっている」と指摘している惨状です
東シナ海にSu-35が現れたら、日本の戦闘機命派は大騒ぎするのでしょうが、良く全体を見て能力を見極める必要がありましょう
「インドがロシア製兵器を酷評」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-11-1
中露のSu-35輸出交渉
「紆余曲折で契約成立」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-20
「Su-35輸出契約は成立するか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-20
南シナ海と中国戦闘機
「西沙諸島に中国戦闘機展開?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-02-1
「南シナ海は塩害対処が鍵」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-10

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