ソフト開発遅れでJDAMとSDBが搭載できず、穴埋めに緊急調達
1日米空軍は、レイセオン社とレーザー誘導爆弾「GBU-49 Enhanced Paveway II」をF-35に搭載する契約を結んだと発表しました。
移動目標に対処するための精密誘導爆弾をF-35で使用できるようにする契約ですが、要するにソフト開発が遅れていて、もっとも効率的で前線で使用されているJDAMやSDB(Small Diameter Bomb)がいつ搭載できるか目途が立たないため、今回の契約に至ったものです
最近は、沖縄の嘉手納基地に12機展開したとか、欧州に展開して東欧諸国に派遣されたとかの話題で2017年は無理やり盛り上げた感のあるF-35ですが、足元はこんなもんです。
1日付Military.com記事によれば
●約65億円の契約には、1200発分の誘導キット、導入試験費、兵站支援、パラメータデータ支援などが含まれていると米空軍が発表した。
●米空軍のF-35導入室長であるTodd Canterbury准将は、「F-35は運用を開始した即戦力のアセットであるが、GBU-49を装備することでより攻撃力を増す」とその効果を強調した
●同誘導爆弾はF-35に移動目標対処能力を与えるもので、2018年にF-35に導入予定の「ソフト3F」投入に合わせて使用可能になる
●現在使用されてる「ソフト3I」から発展し、「ソフト3F」はF-35に地上にある静止および移動する複数の目標「捜索、探知、識別、攻撃」を可能にするものであるF-35計画室関係者は説明している
●米空軍F-35AにGBU-49を搭載する飛行試験は来月から開始し、来年1月末までに400個の誘導キットを企業から米空軍が受領することになっている
●関係者は今回のGBU-49導入契約について、将来のソフトウェアの更なる更新に合わせ、JDAMやSDBが使用可能になるまでのギャップを穴埋めするものであると期待している
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2018年度予算がスタートし、今年も暫定予算状態で米軍の前線部隊は苦しい現場運用を強いられているわけですが、上下両院の機能不全を問題視する国防省や米軍高官の発言が続く中で、装備品調達全体の見直しの必要性を正直に訴える声も出てきています
開発調達&技術担当次官のEllen Lord女史も、具体的装備品に言及した訳ではありませんが、幾つかの開発計画から撤退する話を始めていると語っています。
何が犠牲になるか不明ですが、その浮いたお金がF-35に投入されて良いのか・・・と引き続き疑問に思う今日この頃です
「亡国のF-35」カテゴリー記事
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