米空軍が群れ運用巡航ミサイル開発へ

Gray Wolf.jpg昨年12月28日付Military.comによれば、米空軍研究所AFRLとロッキードとNorthrop Grumが、2014年開発終了に向け、ミサイルが相互連携しながら群れとして行動して敵防空網に対処する新型巡航ミサイル契約を結んだと報じています
正確には、ロッキード社が12月27日に、群れ巡航ミサイル「Gray Wolf」に関しAFRLと5年間約130億円の契約を結んだとのリリース文書を発表したということです。
また、20日付米国防省リリースには、同じ金額でNorthrop Grumとも、「新しい低コストの、敵防空網を群れで攻撃することができる巡航ミサイルを開発する契約」を結んだと発表されていたそうです
「群れ」コンセプトは小型の安価な無人機で検討が進められていることをご紹介してきましたが、巡航ミサイルにも導入されつつあるとは知りませんでした・・・
細部に言及はありませんが、興味深いのでご紹介しておきます
昨年12月28日付Military.com記事によれば
Gray Wolf2.jpg●27日付ロッキード社発表によれば、同巡航ミサイルは「ネットワークで結ばれ、相互に連携して群れを形成し、世界中のIAD(Integrated Air Defense)システム脅威に対処する」コンセプトを持っている
●4段階で構成される開発段階の第1段階は2019年後半までの期間で行われ、最終的には20124年後半に開発が完了する計画となっている
●このコンセプトは、メリーランド州の企業The Bethesdaが「Gray Wolfミサイル」コンセプトに沿ったもので、同社幹部は、強固な防空網に安価な対処ミサイルを提供するものだとアピールしている
●また同幹部は、「このシステムは部品のモジュラー化を追及し、より破壊力の強い弾頭や燃料効率の良いエンジンを組み合わせるなどが想定されている」と今後の開発の方向性を語っている
●開発初期段階で本巡航ミサイルはF-16から発射試験が行われる計画だが、ミサイル設計はF-15やFA-18、もちろんF-35のほか、爆撃機であるB-1、B-2、B-52にも搭載可能な設計が行われる
●Northrop Grumとの契約に関し米国防省の発表では、「敵の高度な防空網を破砕するため、先進で安価なネットーワーク型巡航ミサイルのプロトタイプを設計、開発、製造そして試験する契約」だと説明されている
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Gray Wolf3.jpg敵に負担を強要してコスト負担を押し付ける「課負担戦略」の発想の様でもあり、「maximize modularity」「fuel-efficient 」「affordable」で我のコスト面にも配慮した新時代の兵器開発です
巡航ミサイルを相互連携させて「群れ」としてどのような動きをさせるか気になりますが、そのあたりには言及はありません。団子になって侵攻し、ある時点で散開して敵防空網を混乱させるイメージでしょうか・・・
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