米空軍の軽攻撃機検討の状況

light attack.jpg2日、米空軍がプロペラ軽攻撃機のデモ試験について声明を発表した模様で、今年5月から6月にかけて2回目の候補機試験を2機種に絞って実施するようです。
昨年8月までの数か月で行われた1回目のデモ試験では、4つの機種「AT-6 Wolverine」「A-29 Super Tucano 」「Textron Scorpion」「AT-802L Longsword」が参加したようですが、半年以上の検討を経て前者2機種が次のラウンドに進むことになったようです
米空軍が300機とか数百機等の導入を検討している軽攻撃機ですが、対テロ作戦の対地支援など、A-10やF-16等の高度で高価な作戦機を投入する必要のない作戦を、安価に実施するツールとして検討され、併せて同盟国等にも比較的容易に導入してもらって多国籍活動に活用し、米軍の負担を減らそうとの思いもあります
AT-6 2.jpgまた同時に、練習機としての役割も期待し、深刻なパイロット流出と不足に悩む米空軍の操縦者養成にも活用したいとの思惑があります
一方で課題は、米空軍参謀総長が以前から述べているように、ネットワーク化して活用できないと意味がない点で、このレベルに引き上げられる軽攻撃機がであるかどうかが選定の重要な焦点になっているようです。
もちろん、維持整備が容易か、種々のコストがどの程度かとの基本的比較要素はありますが・・・
2日付DEfense-News記事によれば
昨年8月に第1弾のデモ試験を終了した時点では、次の「combat demonstration」をどうするかが議論になっていたが、米空軍長官の声明は「戦闘デモ試験より、2機種の企業と緊密に協議しながら、整備性、データのネットワーク化やセンサーについて確認する試験を計画する」と述べている
A-29 Afghan.jpg●そして5月から6月にかけ、アリゾナ州のDavis-Monthan空軍基地で、2つの機種「AT-6 Wolverine」「A-29 Super Tucano 」に対し試験を行うと明らかにし、声明は「迅速な調達に向けて必要なデータ収集が可能となる」と述べている
ネットワーク化やパートナー国との相互運用性がテキサスでの次回デモ試験の鍵だと声明は記述し、「輸出可能で手ごろな価格のネットワーク装備の試験も兼ねており、指揮統制アセットとともに、多国籍軍国とも意思疎通可能な装備を追及している」と述べている
●既に1回目のデモ試験では、カナダ、UAE、パラグアイ、豪州が視察しており、2回目のデモでも関係国に声をかけて招待する予定である
AT-6.jpg●また、次回デモ試験では兵站、維持整備、搭載兵器、センサー関連の確認や、操縦者養成課程等も重要な確認要素となる
●一方で2回目の試験の費用捻出元は決まっておらず、米空軍報道官も「デモ試験経費の見積もりを完了していない。関係企業と協力して行う必要がある。既存の開発試験費から流用することになる
」と語っている
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カナダ、UAE、パラグアイ、豪州は、どんな思いでデモ試験を視察したのでしょうか? 次の試験ではどの国がオブザーバーとして参加するのでしょうか・・・・気になります
UAEはともかく、カナダや豪州は、この軽攻撃機を購入して、米国の代わりにアフガンで戦ってくれ、または対テロ作戦参加を加速してくれ・・・ということでしょうか。
興味本位ですが、プロペラ軽攻撃機をどのようにネットワークに組み込み、どのようにハイテク化し、どのようなセンサーを搭載するのか等、興味津々です
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