DIA長官が議会で中国NKを語る

Ashley4.jpg8日、米国防省の情報機関であるDIA長官のRobert Ashley中将が上院軍事委員会で証言し、中国及びNKの脅威について語っています
中国に関しては、先日、防衛研究所の「中国安全保障レポート2018」で、ICBMの多弾頭化により攻撃力や残存性等が急激に向上し、米露の核軍縮を困難にするとの見方をご紹介したところです。
Ashley長官はこれに加え、「2種類の新型空中発射弾道ミサイル:two new air-launched ballistic missiles」の存在にも言及し、その一つは核搭載可能だと語っており、極めて断片的ですがご紹介します
北朝鮮について同長官は
Ashley2.jpg米国にとって最も情報収集困難な対象である(hardest intelligence collection target)
2016年と2017年に40発以上の各種弾道ミサイル試験を行い、2016年には特に長射程ミサイルで失敗を重ねたが、2017年には進歩を見せた
●2017年7月の2発の火星14号や、11月の火星15号は米本土に到達可能な能力を見せ、更に日本を射程内に収める固体燃料を使用した中距離弾道ミサイルの試験を2回行った
●また2017年9月に行われた6回目の核実験では、過去最高の強さの地震を引き起こし、北朝鮮が水爆だと主張している。更に北朝鮮は2タイプの弾頭デザインを公開し、弾道ミサイルに搭載可能だと主張している
中国について長官は
中国本土から遠方の高列度地域紛争に短期間で勝利できる統合作戦能力と、近代的な指揮統制能力の獲得を含む、根本的な軍団レベル以下の改革をPLAは追及している
●またPLAは、統合指揮システムの強化と、サイバー、電子戦、宇宙戦を束ねる新たな「Strategic Support Force」の構築に取り組んでいる
Ashley3.jpg●引き続き中国は台湾紛争などへの第3者の干渉を「dissuade, deter or defeat」するための能力構築に取り組んでおり、多様なドメインで長射程の攻撃能力を西太平洋地域で発揮することを狙っている。そのエリアは第一列島線内で激しく、その外に拡大している
「2種類の新型空中発射弾道ミサイル:two new air-launched ballistic missiles」開発が進んでおり、一つは核弾頭搭載可能である。
●(細部に同長官は言及しなかったが、中国は超音速スタンドオフ対地攻撃弾道ミサイルを輸出可能な形で開発しており、また、空対空用の大型長射程ミサイルをAWACSや空中給油機など高価値目標を対象に開発しているといわれている
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中国に関しては、核兵器の3本柱を完成しつつある等々と証言していますが、防研レポートと重なりますので省略いたします
それにしても、ロシアもそうですが、米国が議会の機能不全で予算の強制削減問題に縛られ続ける中、中国もNKもぬかりないです
これでトランプが北の刈り上げ君と会談し、安易な妥協などしないことを祈るばかりです
関連の記事
「中国安全保障レポート2018」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-2
「露が新型核兵器を開発」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-1

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