トランプの宇宙軍創設宣言は早くも障害に直面
7月24日トランプ大統領が退役軍人の集会で、6月18日にぶち上げた宇宙軍創設について再び熱く語った同じ日に、米議会の上下院軍事委員会が2019年度予算に関してまとめた報告書で、宇宙軍創設に関する予算をゼロ査定しました。
今年10月1日からスタートする米国の2019年会計年度予算ですが、決定までには米議会両院の本会議審議や大統領の拒否権発動の可能性もあり、単純に宇宙軍予算が無くなる訳ではありませんが、議会の雰囲気を感じていただくべくご紹介いたします
7月25日付Military.com記事によれば
●7月24日公表の上下院軍事委員会の約80兆円($716 billion)2019年度予算案に関する「conference report」は、宇宙軍に関する予算を含めなかった。そして宇宙軍としての予算を計上する代わりに、両院軍事委員会はマティス国防長官に対し、国防省がどのように宇宙軍を編成するかの計画を提出するよう求めている。
●また下院軍事委員会は特に、空軍省の下に米空軍と並列に宇宙軍を創設する案に反対姿勢を示し、現在の米戦略コマンドの下に宇宙を担当する統合のコマンドを創設することを要求している
●同じ24日、トランプ大統領はカンサス州で開催された退役軍人集会で、「我が政権は史上最大の米国軍再建に取り組んでおり、今年の国防予算を77兆円、そして来年は約80兆円にする」と語り会場から大喝さいを浴びた
●そして「私は国防省に、第6番目の軍の創設プロセスを開始するよう命じた。それは宇宙軍の創設である」、「世界は変化し続けており、我々は適応していかなければならないが、それがこの宇宙軍創設である。宇宙では他にも多くの取り組みを行っている」、「月や火星に向かうことだけを意味しているのではない。火星には間もなく向かうことになるが、しかし軍事的な観点で言えば、日々、宇宙はますます重要になってきている」と語った
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宇宙軍の創設は、米議会が合衆国法典の軍隊に関する「Title 10」の改正に応じた後にのみ行われ、その手続きには経費見積もりや時程計画が求められ、数年必要であろう・・・と言われていますが、少なくとも皆が一生懸命取り組んでいるとは言えない状態です。
本当に、トランプ大統領の下で働くということは大変なことです・・・
「宇宙軍宣言に国防省内は冷ややか」
→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-21
宇宙軍を巡るつばぜり合い
「国防副長官が火消しに」[→]http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-29
「トランプの宇宙軍発言に真っ青」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-17
「下院が独立法案承認」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-14-1
「下院が宇宙軍独立案を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-22-1
「米空軍はA-11設置で対処」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-18
「米空軍が宇宙活動アピール作戦を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-24