開発の第2段階へ入った模様
6月14日付Dailymail電子版が、少なくとも2015年から企業と開発契約を結んで米国防省が進めている生物化学兵器を無効化する「X-ray bomb」開発について報じ、第2弾の開発フェーズ契約が2017年に締結され、2018年7月から2年間の契約活動が開始されるとのことです
記事は兵器を「X-ray bomb」と表現する一方で、「Directed Energy Weapon」の一つとも紹介しており、そのような性格の兵器の模様です。
事柄の性格から情報の管理が厳しいようで、細部は不明ですが、具体的な担当企業名も紹介されていますので、とりあえず取り上げておきます
6月14日付Dailymail電子版によれば
●米国防省は当該開発契約を、エレクトロニクス専門家集団である「Hyperion Technology Group」と結んでおり、少なくとも2015年から研究開発が開始されている
●研究開発では、保管施設や容器を破損することなく、爆発的なX線放射で生物化学兵器を無効化する兵器を、現存する兵器の弾頭に搭載することを目指している
●2015年に公になった「High Power X-ray Munition to Attack and Defeat Weapons of Mass Destruction」とのタイトルの文書で本プロジェクトが明らかになったが、大部分は非公開である
●約1600万円の契約で行われた第1弾研究開発は、第2弾開発につながる基礎設計を確認するもので、小さな規模のX線兵器で生物化学兵器への効果をデモするもの・・・と文書で表現されている
●2017年に契約された1.2億円の第2弾研究開発契約では、「エネルギー兵器として活用できる完全に兵器レベルのX線を静的な一連の試験で可能とする」ことを目的としており、今年7月から2年間の予定で進められる模様
●第2弾契約に関する文書では、「これまでの兵器は、友軍や一般市民に紛れて反乱分子が存在するような近接戦闘で要求を満たすことができなかった」との表現があり、そのような環境でも使用できるレベルのX線兵器が求められている模様である
●米陸軍大学の専門家は、このような兵器情報がテロリストに渡ることが懸念だと述べるとともに、対策として対象物に照射されたときに焼却効果を発揮するようにX線爆弾は設計されるだろうと語っている
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何やら謎に包まれた兵器ですが、近接戦闘で周辺の民間人への影響がない兵器とは夢のような話です。
でも、2016年にはX線Gunを開発し、照射後、時間が経過したのちに人が死ぬような兵器開発を試みた罪で逮捕された男がいるようです。恐ろしきはX線です
全く理論的には異なるのでしょうが、核兵器を無効化できるようなエネルギー兵器というか、兵器ができれば、それはそれはインパクト大でしょうね・・・
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