情報収集機RCやOCやWC-135の維持がピンチ!?

オープンスカイ条約飛行の遂行率64%の惨状
対するロシアは達成率100%なのに・・・
RC-135 2.jpg2日付Defense-Newsが、米空軍の特殊情報取集を担当するネブラスカ州Offutt空軍基地所属のRCやOCやWC-135の維持がピンチで、2016年以降だと500回の任務が機体トラブルでキャンセルされ、2015年以降だと12回に1回の割合で任務を断念する事態に至っていると紹介しています
特に、米露と欧州が信頼醸成措置の一環として結んでいるオープンスカイ条約の履行を担い、ロシア上空からロシアを合法的に偵察する任務を負う「OC-135 Open Skies aircraft」が任務遂行率64%の惨状で、2016年7月には機体トラブルでロシアの飛行場に緊急着陸する事態まで引き起こしているようです
RC-135s-w.jpg記事の内容は、offutt基地の地元議員が、同基地の135シリーズの健康状態を懸念して空軍長官に調査を要求したとか、OC-135後継予算に消極的な議会内でプッシュしている様子を紹介し、地元への利益誘導の臭いがするのですが、F-35やB-21に予算が流れ、縁の下を支える重要装備が危機に陥っている典型的事例ですのでご紹介しておきます
まずOffutt基地所属RCやOCやWC-135をご紹介
RC-135U Combat Sent 2機 シグナル情報収集機
RC-135V/W Rivet Joint 8機と9機 U型を改良したシグナル情報収集機
RC-135S Cobra Ball 3機 弾道ミサイル光学電子情報収集
北朝鮮の弾道ミサイル試験が迫ると日本周辺に飛来 
OC-135B  Open Skies aircraft 2機  
WC-135 Constant Phoenik 2機 大気収集機
北朝鮮の核実験報道があると日本海で待機を収集し、核実験の真偽を判定
2日付Defense-News記事によれば
RC-135 3.jpg第55航空団が保有するKC-135給油機やC-135輸送を改良した情報収集機は、今も英国やギリシャや日本やカタールに展開して任務飛行を行っているが、50年以上の年齢で老朽化が問題となっている。
●Offutt空軍基地周辺の地元紙の調査によると、2016年以降だと500回の任務が機体トラブルでキャンセルされ、2015年以降だと12回に1回の割合で任務を断念する事態に至っている
●これを受け、ネブラスカ州選出のDon Bacon下院議員らは、空軍長官に同基地第55航空団所属機の状況に関するレポート提出を求めた
●同時に同議員らは、米空軍が要求するOC-135b後継機予算(2機で約250億円)に反対姿勢の上下院議員に、考え方を改めるように活動を行っている。なお後継予算に反対の議員は、オープンスカイ条約の有効性そのものに疑義を掛け、またロシアの最近の姿勢に反発しており、信頼醸成そのものに懐疑的である
●同議員は「OC-135は米空軍保有アセットの中で最悪の稼働率だ」、「故障して敵対的な姿勢が目立つロシア国内で立ち往生する有様だ」と下院で訴えている
マティス国防長官も関連議員にOC-135の稼働率問題を認め、後継機予算への理解浸透を要請し、ホワイトハウス予算管理室も議会関係者に後継者予算が議会予算案から除外されていることに不満を示すレターを出している
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RC-135.jpg後継機予算が2機で250億円とはかわいらしい額です。F-35が1機100億円で、B-21が1機600億円であることを考えれば・・・
ロシアに稼働率で負けるあたりは、いくら何でも落ちぶれすぎ・・・。北朝鮮情勢も不安定ですので、いざという時に役立つよう維持をお願いしておきましょう
関連記事
「135情報収集機の活躍」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-21
「ISR無人機の急増」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-21

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