状況写真がリークされる別の面での「深刻な」状況も
マティス長官は慎重な姿勢ながら・・・
写真の左側が米海軍艦艇です
9月30日(日)朝8時30分ごろ、南シナ海の南沙諸島Spratly Islands近くの海域を「航行の自由作戦」の一環で航行していた米海軍ミサイル駆逐艦USS Decaturに対し、中国海軍のLuyang級駆逐艦が進路を妨害するように米艦艇の前方部分に40mまで接近し、米艦艇が衝突を避けるために回避動作を行った模様です
この事案の写真を米海軍は公表していませんでしたが(公開を検討していたかは不明)、webサイト上に両国海軍艦艇が接近している写真が2日に掲載され、米海軍が3日にその写真を本物だと認めました。また米海軍は公式に写真を公開するか検討しているとのことです
最初に写真を掲載したwebサイトは写真の入手先を明らかにしていませんが、1日月曜日に米太平洋海軍報道官は、中国艦艇による「不安全でプロらしくない中国艦艇の行動があった」、「中国海軍艦艇は威嚇的な行動を繰り返し、米艦艇に同エリアから立ち去るよう警告を与えてきた」と事態の発生を伝えていたようです
この件に関し、ホワイトハウスと国防長官に微妙な姿勢の違いが・・・
4日付Military.com記事によれば
●4日ペンス副大統領はタカ派で知られるハドソン研究所で講演し、「中国は全政府機関が一体となって、政治、経済、軍事、更にプロパガンダの手段も用い、米国に対する影響力強化を企てている」と中国の脅威を強調した
●そして、中国の貿易や軍事面でのターゲットはトランプ大統領であり、「米大統領のリーダーシップが機能しているが故に、中国はこれを恐れて異なる米大統領を求めてる」と中国を分析した
●また中国が南シナ海で人工島を設けて軍事基地化している状況にも言及し、「以前よりも積極的に米国に挑戦しようとの姿勢を見せている」と表現し、米海軍艦艇に40mまで危険な接近行動を行った中国艦艇の行為を例示した
●この事案を受けマティス長官は、近く予定していた中国訪問の中止を発表したが、その接近事案の重大性や事態拡大については否定し、沈静化を図る方向を示唆した
●そして2日同行記者団に対し、「両国関係には緊張点があるが、国連総会の場での両国協議で生まれた議論を基礎とすれば、事態が悪化するとは考えていない」と語ってる
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東シナ海上空では、米軍機や航空自衛隊機に対して過激な行動をとる中国軍機や中国軍パイロットがいますが、今回の事案の中国海軍艦長はどのような判断で行動したのでしょうか?
最近は中国軍も統制された行動をしていると言われることが多いですが、どうでしょうか? いずれにしても、偶発的な事態が発生する確率が高まっていることは間違いないのでしょう
マティス長官とホワイトハウスの関係は気になるところです。最後の砦ですから・・・マティス長官は・・
南シナ海を巡る記事
「グレーゾーンでの戦いに備えよ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-11
「中国の軍事力レポート」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-18
「日米陸軍がRIMPACで艦艇撃沈」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-21
「中国無人艇が群れ行動」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-02