無人機操縦者の状況改善か?

部隊の半数が若手というアンバランス・・・
MQ-9 4.jpg9月28日付米空軍協会web記事が、約2年前から進められている米空軍無人機操縦者の勤務体制改善計画(CPIP:The Culture and Process Improvement Plan)の成果について、断片的ながら無人機部隊関係者の発言から紹介しています
ただ記事を読んでいくと、通常の航空機運用部隊とは全く異なる作戦運用形態や訓練や人の配置に驚かされることが多く、部隊の改善を実感するというより、やっぱり「異質」な部隊なんだとの思いが強くなります
そこで勤務する人たちの「顔つき」や「部隊の雰囲気」がちょっと想像しにくく、もしかしたら、引きこもりでゲーム漬けの若者の様な兵士が多数存在するような部隊なんではないか・・・などとちょっと失礼な想像もしてしまいます。ちょっと想像しすぎだと思いますが・・・
9月28日付米空軍協会web記事によれば
MQ-9 3.jpg2015年中旬に行われた12の基地で勤務する約3300名を対象とした調査結果に基き、無人機部隊で勤務する兵士たちの士気を改善高揚し、その部隊規模を維持可能な体制で拡大しようとするCPIP計画が作成され実行されてきた
●依然として、増え続ける無人機への任務要求対応することに忙殺され、技量向上訓練や本格紛争への備えが十分行えない状態が改善されたとは言えないが、無人機部隊は少しづつ改善に向かっている
人員不足に関して言えば、CPIP開始後、無人機の操縦者はほぼ充足率100%になってきたが、下士官が配置されるセンサー等操作員のポストは充足率80%程度にとどまっており、これら下士官の継続勤務率を上昇させることが課題となっている
●兵士の継続勤務率向上に関しては、その家族から、兵士の長期海外派遣が多いことや辺鄙な勤務場所が多いことへの不満が示されており、これらへの施策が求められてる
訓練確保に関しては、無人機部隊指揮官は「(中国やロシアなどとの)本格的紛争に際して直面するような脅威下での訓練を充実することで、即応態勢を向上させたい」と語っており、2019年末までにCPIPに沿って初期の成果が出るように取り組んでいる模様である
MQ-4C4.jpg●新たな訓練時間確保手段として部隊指揮官が挙げたのは、MQ-9であれば20時間程度連続飛行する中で、攻撃や偵察を行う地点までの移動時間を訓練に活用する方法の導入である。従来は訓練飛行を別設定し、米本土上空で行っていた訓練を実戦用無人機を使って行うのである。実任務である攻撃や偵察作戦行動に入ったら有資格者が操作を行うが、それ以前や任務終了後の長時間の飛行を訓練に活用する方法である。
●無人機操作員の管理についても、世界中で無人機が活動している中、各地域独自の運用規則や交戦規程等が存在することから、運用者一人が2つの地域の専門資格を持つ管理を行い、ますます複雑化する現場の要請に的確に答えつつ、兵士の能力管理と将来管理に生かしている
1日基準8時間の勤務内では、一つの地域でのみ無人機運用を担当し、複数の地域を1日の中で担当しないことを定めてミスや過度の負担を避けることにしている
無人機部隊は若手士官と下士官で満たされており、約半数が若手兵士で、他の航空機部隊とは全く異なる。少尉が(米本土から)攻撃任務日常的にこなし、中尉になると頻繁に海外派遣を担うことになる。「少尉が日常的に攻撃任務を遂行する点で他部隊とは大きく異なっている」と無人機部隊指揮官は述べている
MQ-X2.jpg若手兵士が日常的に任務経験を積むことは他にはない利点ととらえることができ、地上部隊支援や偵察任務には習熟できるが、対空脅威が大きい環境での経験が詰めないことが大きな課題で、そのために訓練時間確保が重要と指揮官は考えている
●無人機部隊指揮官は、「本格的紛争でも我々は間違いなく作戦を行う。それが作戦初動か、作戦発動直前か、3日後かはわからないが・・・」と表現した
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士官も下士官も若手が半数を占めるアンバランスな部隊とは・・・ちょっと想像できませんが、大丈夫なんでしょうか?
5年後、10年後、部隊がどうなっていくのか、これら若手の今後の人事管理をどう考えているんでしょうか? いつまでも長時間の無人機操作を行わせるわけにはいかず、かといって突然大量のスタッフ業務が発生するわけでもなく・・・
是非米空軍幹部に伺ってみたいものです・・・
米空軍は無人機操縦者に苦しみ中
「無人機要員の削減を検討」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-25
「RQ-4操縦者の7割が下士官に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-13-1
「RQ-4操縦を下士官に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-19
「問題点と処遇改善の方向性」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-11

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