是非F-22やF-35で試したみたいです・・・
13日付C4isrnet.comが、電子機器メーカ「Hensoldt」が開発して4月のベルリン航空ショーで初公開したステルス機も探知可能と噂されるパッシブ対空レーダーを取り上げ、ドイツ空軍が11月から国内4か所に展開してその性能を確認すると紹介しています
レーダー自らが電波を発せず、民間のラジオやTV電波が航空機に当たった反射波を利用して位置特定を行う仕組みで、軍事用で考えれば敵から探知されることがない利点があり、受信だけなので電波干渉の心配がないことから都市部にも展開可能等の利点があります
写真で見ると「安っぽい」「シンプル」な構造の簡単に車両で移動できそうなレーダーで、本当にカタログ通りの性能が出るか気になりますが、4月のベルリン航空ショーでは、2機の米空軍F-35が急きょデモ飛行を取りやめたとの噂もあり、世界の注目が集まっているところです
4月のベルリン航空ショーでの説明では
●半径250㎞以内を飛行する200機までの航空機を3次元で表示可能。2-3年前には考えられなかった新技術で、探知距離と精度を実現
●500フィートを飛行する小型セスナから、45000フィートを飛行する旅客機も探知可能
●このレーダーでも、対象航空機でもない第3者が発する21個までの周波数をパッシブで受信し、位置を特定する。反対に、ある程度の強度があるラジオやTV電波がない地域では使用できない
●21個周波数の内訳は、FMアナログラジオ発信局16個までと、DAB等のデジタルラジオとDVB-T等のデジタルテレビ局5個まで。
●周波数不足の時代に費用対効果の高く、発信がないので特別な申請がなくても使用可能で、特に都市部で有効。また山間部で有効な点が大きな特徴
●防空や大規模イベントの警備、更には航空交通管制にも全く新たな手段を提供
●レシーバーをネットワーク化する事で、軍用により広範なエリアをカバー可能
●4月時点で、2セットの同レーダーが欧州の潜在的顧客にデモ提供されている
13日付C4isrnet.com記事によれば
●ドイツ軍が数年前から「Hensoldt」と協力して開発してきた「TwInvis passive radar system」は、対象航空機もレーダ自体も電波を発射しないことから、”TwInvis” との名称がつけられている。”twin” + “invisible”の造語である
● ドイツ空軍は11月から、4台の同レーダーを南ドイツのミュンヘン周辺に3台と70㎞郊外に1台分散して配置し、連接して広範囲を監視する試験を行う。この配置により結果的に、北はフランフルトから、南はイタリア、オーストリア、チェコの一部を含む空域を同レーダーがカバーして試験が行われる
●「Hensoldt」社は同レーダーの更なる進歩で防空ミサイルを誘導可能な精度を獲得したと述べて自信を示している。4月の初公開以降、世界中からの問い合わせが殺到して複数のデモを実施している模様である
●ドイツ軍は同レーダーを、低高度のカバーや通常のレーダー電波を封止したい作戦時に活用するほか、「Hensoldt」とは同レーダー情報を航空機に提供することや、独海軍艦艇に活用することも検討している
●南米では、麻薬密輸組織が運用する航空機を探知する手段として注視されており、通常の監視レーダーを麻痺させて突破する能力を持つ密輸組織の航空機対策として期待されている
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これだけ広く一般に宣伝されているということは、ステルス機を探知するような技術ではない気もします(探知可能なら米国が黙っちゃいないと・・・)。
でもデータ処理技術がポイントだとすると、将来その原理を利用して・・・なんてことになるかもしれません。すべて素人の推測ですのでご勘弁を。
ラジオやTV電波が十分な強度で多数飛んでいることが条件ですから、日本海や東シナ海で使用するのは簡単ではないでしょうが・・・
対ステルス関連の記事
「中国の対ステルスレーダー」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-11-24
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