中国の空母キラーDF-26発射映像公開も・・・

米海軍が今年初の航海の自由作戦開始日にぶつけ
でも依然として移動目標攻撃能力を証明には・・・

DF-21D-1.jpg1月24日、中国のTY局(中国中央電視台)が「米空母キラー」とか「グアムキラー」と呼ばれる中距離弾道ミサイルDF-26の発射訓練映像を放送し今年初めての「航行の自由作戦」で米海軍がイージス艦(USS McCampbell)が台湾海峡を通過したタイミングにぶつけてきました
ちなみにDF-26が今回の試験発射実施を命じられたのは、1月7日に同イージス艦が南シナ海のParacel Islands(西沙諸島)近傍を通過して今年初めての「航行の自由作戦」を開始した事を受けてのことだと報じられています
映像で射程5740㎞(3570nm)と紹介されているDF-26は、第2列島線上のグアム島米軍基地を攻撃できる中距離弾道ミサイルとして、今話題の米国のINF全廃条約からの脱退を後押ししたインパクトある兵器ですが、2015年9月の「抗日戦争勝利70周年記念パレード」で「ASBM:対艦弾道ミサイル」と場内アナウンスされ、世界の専門家を仰天させた兵器でもあります
DF-26.jpg対艦弾道ミサイル(空母キラー)としては、射程約2000㎞のDF-21D型が中国ウォッチャーの関心を集めていた当時でしたから、その射程の2倍以上で、かつ移動目標である艦艇を攻撃可能との場内アナウンスに、西側専門家は口を「あんぐり」状態でした
そのDF-26を中国国防省は、2018年4月に部隊配備したと発表していますが、DF-21Cと共に、未だに海上の移動目標攻撃に成功した試験や事件は確認されておらず、また中国の海上移動目標情報の収集能力やリアルタイム共有能力に疑問を持つ西側専門家の間には、「空母キラー」は誇大広告と指摘する者も少なくありません
今回公開された映像で、ミサイル上部に4枚のフィンが装着されている様子が映し出され、大気圏再突入後の終末段階でミサイルの軌道修正能力をアピールしているようにも見え、またこの映像公開を報じる中国国営英字紙「環球時報」も、「この試験映像で西側の疑念を払しょくした」と書いているようですが、疑念が晴れたわけではありません
DF-26 2.jpgただ、DF-21DもDF-26も、部隊配備が完了して作戦投入可能だと中国が主張すれば、米海軍が虎の子の空母(搭載アセットを含め2兆円以上の価値)を、安易に射程内で活動させるかと言えばそれも疑問ですから、厄介な兵器であることには間違いありません
以下では、1月24日に公開された約50秒の映像をご紹介いたします
South China Morning Postの映像
DF-26の特徴
固体燃料式で、命令を受けて直ちに発射可能
●車両搭載型の移動式発射機から発射可能(映像あり)


ASBM関連の記事
「対艦弾道ミサイルは脅威か?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-02
「DF-26も対艦能力ありと公言」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-04
「米海軍:空母の重要性は不変「」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-14 
「空母をどう位置づけるか?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-22

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