豪空軍将軍の体験談は、F-35と同じ攻撃パッケージで「Red Flag 19-1」に参加した感想です
2月28日付Defense-Newsが、米海軍F-35のIOC宣言と、豪空軍戦闘司令官の短いF-35体験談を紹介しています。
2つの異なる記事ですが、共にF-35ファンや戦闘機ファンの皆さんには「おめでたい」「期待が膨らむ」内容ですので、一つにまとめでご紹介します
米海軍F-35Cの飛行隊初IOCは、わずか10機の飛行部隊で、実際に空母に搭載されるのは2021年(@空母カールビンソン)とのレベルですから、「なんちゃってIOC」のような気もしますが、緊急投入の可能性が無いわけではないのでしょう
豪州将軍のF-35と共に演習した感想はともかく、米海軍と米空軍と豪州空軍と英国空軍だけが参加したハイレベルの演習をやっている事にも注目して頂きましょう
2月28日に米海軍F-35C飛行隊が初のIOC
●2月28日、カリフォルニア州の Lemoore米海軍航空基地所属でF-35C型機を10機保有するVFA-147(第147攻撃戦闘飛行隊)が、空母カールビンソンでの運用体制確認審査を終了し、初期運用体制確立IOCしたと米海軍から発表があった。当初は2018年夏だったが、約半年遅れての宣言である
●このIOCは、完全な運用体制FOCには及ばず、最大限の能力発揮には至らないが、限定的な能力で実戦投入可能なレベルと認定されたことを示す
●このIOC獲得には、適切な訓練を受けた人員と必要な機体や装備がそろい、かつ、機体10機と修理用部品や関連装備や工具、取り扱い説明文書、訓練計画、機能する自動兵站情報システムALISを備えていることが必要である
●米海軍航空戦力軍司令官DeWolfe Miller中将は、「同飛行隊のF-35Cは作戦運用の準備ができ、戦闘行動で勝利を収める体制を確立した」、「我が米海軍は、信頼できる新たな兵器システムを空母戦闘群に加えることができ、統合戦闘能力の強化に貢献できる体制が整った」との声明を発表した
豪空軍航空戦闘軍司令官の演習参加体験談
●豪空軍Air Combat Group司令官は同国で開催されたアバロン航空ショーで、今年2月に豪空軍FA-18に搭乗して参加したネバダ州での「Red Flag 19-1」で、米空軍F-35と攻撃パッケージを組んで 参加した際の感想を語った
●なお豪空軍は、FA-18の後継として72機のF-35Aを購入する計画で、現在10機を受領(2機は豪国内、他8機は米国で豪軍要員養成に使用中)済。今後、4月に追加で2機を豪州で受領し、年末までには更に8機が豪州に到着予定
●在豪州の2機は、現在週に5-6ソーティー飛行して主に要員養成訓練を行っている
●同司令官は豪FA-18に搭乗して参加した重要な訓練について振り返って様子を語り、まず、8機編成の米空軍F-35編隊が攻撃の突破口を開き(kick open a door)、こじ開けられた突破口を後続のF-22が維持した(hold the door open)と表現した
●そしてその後、F-35が引き返して来て(went back and picked up a strike train)、後に続く攻撃航空機の列(豪FA-18、米海軍FA-18、英空軍タイフーン、米空軍F-16)を、EA-18Gや米空軍F-16の支援を得ながら率いた、と語った
●そして同司令官は、「このような強力な敵SAMやサイバー脅威を想定したハイエンド演習に参加したのは初めてだった」、「F-35が新旧FA-18やタイフーン等と協力して強固な敵防空に対応する様子を目にした」、「今後2-3年で、豪軍においてもわが軍のF-35、FA-18そしてEA-18Gが協力することになると確信を持っている」と締めくくった
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米海軍F-35CのIOCに関し、IOC承認条件に「機能するALIS: functional ALIS」とありますが、どの程度機能しているのでしょうか?
海兵隊用B型が2015年7月、次いで空軍用のA型は2016年8月に最初の飛行隊がIOCを宣言していますが、恐らくALISに電源が入ればOKぐらいの緩い審査だったのではないかと思います
豪空軍将軍が経験した8機のF-35が参加する演習はとても大規模ですが、アジア太平洋や西太平洋地域で、そのようなパッケージが組めるような地上基盤が維持できるかは疑問です
特に中国は、1992年の湾岸戦争時のような航空攻撃パッケージ侵攻を西側にさせないため、弾道&巡航ミサイルや極超音速兵器、サイバーや宇宙兵器に力を入れているのですから
F-35C関連の記事
「米海軍F-35CがIOCに向け最終段階」→ https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-18
「米海軍F-35のIOCは最低半年遅れ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-01-2
「道遠しNIFC-CAの状況」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-26
「F-35CとFA-18性能比較指示」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-29
「F-35Cの着陸精度が素晴らしい」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-22
「FA-18とEA-18Gにも」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-09