米空軍:抑止のため攻撃的宇宙能力を示すべき

何か意味深な言いぶりです
安価小型を多数の方向に変化?
数か月後に細部を公表すると
Wilson6.jpg10日、Wilson空軍長官が宇宙関連のシンポジウムで講演し、今年2月に2年ぶりにまとめた「米空軍の宇宙戦略」の内容について「ぼんやりと」語り、敵を抑止するために攻撃的な能力を保有していることを相手に認識させる必要性や、多数の小型衛星を使用して脆弱性を克服する考え方の限界、また民間衛星会社との協力等について触れました
この2年ぶりの分析結果に基づく戦略については、数か月後(同空軍長官が退任後)に詳細を明らかにするとして細部に言及することは避けたようですが、多数のウォーゲームや机上演習での検証・分析を経てまとめられたもののようで、統合参謀本部や地域コマンド、、NROや研究開発機関であるDARPAも強い関心を持っていると空軍長官自らアピールしています
退任直前のWilson長官の表現には微妙な言い回しがあり、どう解釈すべきか悩むところもあるのですが、とりあえず詳細が出回る前の「前振り」として同長官の発言をご紹介しておきます
10日付米空軍協会web記事によれば
space aware2.jpg●10日、Space Foundation主催の宇宙シンポジウムの会場で空軍長官は記者団に、米国は宇宙での攻撃能力をデモンストレーションすることになるだろうと述べ、「敵対的な相手に割れの能力を理解させることが必要だ」と語った
●そして「我々に何ができるかをある程度、少なくとも大まかにでも、相手に知らせることが必要だ。抑止の最後の重要点は不確かさであり、我の能力に関し、相手がどれだけ確信をもっているかにかかっている。なぜなら相手の心には誤解のリスクが存在するからだ」と表現した
●更に同長官は細部に触れることをかけたが、米空軍が2年ぶりに4か月間かけてまとめた宇宙関連文書において、(攻撃的な)能力について検討していると言及した
●その検討文書について、「ミサイル早期警戒から通信・情報収集まで、全ての宇宙関連分野を検討の対象とした」、「脅威と我の行動に反応する仮想敵を可能な限りベストな形で想定して分析した」と説明した
●また、同分析は現在の予算計画の有効性を確信させるもので、統合参謀本部や地域コマンド、NROやDARPAからも関心を寄せられていると長官は説明した
wilson7.jpg特に米空軍は、新しいlSpace Development Agencyも検討している低軌道の低コスト商用衛星システムへの資源投資のやり方について検討し、「単一の答えが全ての状況に当てはまることはなく」、多様な対応が求められており、単に衛星を多数打ち上げて解決するものではないとの結論に至ったと同長官は語った
●更に、商用の低軌道衛星と「not well-aligned」な宇宙任務は、自身を守るための変更が可能な点で実際は優れているのだ、と同長官は表現した
●そして「米空軍は低軌道衛星システムや商用システムに投資している。しかし、数百個の安価な衛星を毎年打ち上げているだけでは、前線兵士を支える複雑なシステムの代替にはならない。分析結果が明確に示している」とも
明言した
●また同空軍長官は、民間衛星会社との大きな協力のチャンスが見えていると表現し、米軍全ての軍種で、低コストのマルチバンド衛星通信装置が、全ての装備品に求められていると現状を語った
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これまでまんぐーすは、高コストで多機能の少数の衛星に頼っていいると、敵の衛星兵器や妨害電話で無効化された場合のリスクが大きいので、低コストで小機能の衛星を多数打ち上げる方向に米軍はあると単純に考えていましたが、そんなにシンプルではない・・・との分析結果の様です(たぶん・・)
space-based 2.jpg空軍長官や米空軍が言いたいのは、高機能で高価格な衛星も必要だと言いことなんでしょうか? 攻撃的な能力保有を相手に認知させるとは、どんな能力のことなんでしょうか?
数か月後の詳細な発表を待つことといたしましょう。元気があればフォローします
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→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/archive/c2302888136-1

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