米陸軍正規兵に国境の壁ペンキ塗り任務で非難殺到

イラクやアフガンで疲弊した部隊に鉄条網張り
不法移民を見つけても逮捕もできず指示するだけ
border-wall-Paint.jpg6日付military.comは、トランプ大統領の指示でメキシコ国境の壁に派遣されている米陸軍や海兵隊の正規兵が7日から国境フェンスのペンキ塗りにも従事することを受け、議会や有識者から「軍の不適切な使用だ」と改めて非難の声が上がっていると報じています
そもそもメキシコ国境の壁建設費用捻出のため、国家非常事態宣言をして国防予算を無理やりむしり取る暴挙で専門家や議会から非難を浴び、自然災害による大きな基地施設の被害に米軍からは恨み声がこだましている現状ですが、傷口に塩を刷り込むがごとき今回の「ペンキ屋任務」に、米軍の士気は下がり、幹部の怒りはさらに募ることになるでしょう
6日付military.com記事によれば
●国境警備隊報道官は、7日から米軍の正規兵部隊が、「国境フェンスの見栄えをよくするため」、フェンスのペンキ塗りを開始すると明らかにした
ペンキ作業が開始されるのは、サンディエゴの東200㎞付近で、最初にトランプ大統領指示による国境の壁建設が開始された場所である
border-wall-Paint2.jpg現在、メキシコ国境での任務に派遣されているのは、陸軍と海軍の正規兵2100名と予備役兵1900名で国境への蛇腹鉄条網の配置、監視ヘリコプター運用、兵たん支援、監視カメラ監視などを担当しているが、不法移民を逮捕したり触れたりはできず、発見した場合は国境警備隊に連絡して最寄りの警備隊詰め所に向かうよう指示するだけである
このような米軍の活用はトランプ政権による米軍の拡大使用の象徴だが、ある議員はペンキ塗りへの米軍の使用について「税金の恥ずべき誤使用」と厳しく批判している
●国土防衛省は今回のペンキ塗り目的を、「壁フェンスの見栄え改善」としているが、現状の「さび色」では不法移民が隠れた際に発見しにくく、また滑る塗料を塗ることで移民がフェンスをよじ登ることを防止する狙いもあるようである
●ペンキの色を国境警備隊は明らかにしていないが、アリゾナ州でフェンスを「明るい白」に塗装して効果的だったとの情報があり、一つの選択肢となろう
●実際に国境に派遣されているある軍曹(アフガンにも中東にも派遣経験あり)に取材したが、彼の任務はベットの上の暗視カメラで監視し、移民を発見すると国境警備隊に連絡し、見つけた移民に最寄りの警備隊詰め所に赴くよう指示するだけだと語っていた
早く彼自身や同僚兵士が休めるよう、早く不法移民がその場から移動することだけを願っていたと語ってくれた
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WASP.jpg令和最初の国賓としてトランプ大統領が来日した際、最後に米海兵隊の強襲揚陸艦WASPで米軍兵士を前に激励スピーチを行いましたが、本来佐世保で待機していつでも海兵隊員を乗せて出航できる体制を取っているべきなのに、ホワイトハウスの強引な計画で横須賀まで移動させられたとして、Shanahan臨時国防長官がホワイトハウスに抗議したと報じられたり
トランプ大統領が嫌いな故マケイン上院議員の名前を冠した横須賀所属の駆逐艦マケインの艦名を、大統領が横須賀基地訪問時に隠すようにホワイトハウスが指示したとか、米軍の士気を削ぐ「軍の乱用」や「軍の尊厳無視」行為が目に付くトランプ大統領とその側近ですが、本日も「反省の色なし」です
トランプ大統領と米軍関連
「空母トルーマン早期引退を撤回」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-02
「臨時長官は如何に大統領に仕えているか」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-11
「自然災害の中、施設予算枯渇」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-24
「再び大統領が軍事パレード要望」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-16
「DCで軍事パレードをご希望」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-10-1
「宇宙軍創設を訴え」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-21
「戦地激励を避けるトランプ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-23
「米海軍真っ青?トランプ「EMALSはだめ」」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-13

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