ついにルビコン川を渡ってしまったのか
気になるトランプ発言の行く先は?
ついに11日夕刻、トルコにロシア製の高性能地対空ミサイルS-400地対空ミサイルの第一弾が到着し、今後数週間で段階的に残りの関連部品や整備試験機材等が到着するようです。
米国時間12日朝にトルコ政府が同ミサイルの到着を発表も、米国防省は本件の会見を当初同日午前1145に設定も、後に2時間半遅らせるとしたまま会見は未だに開催されず・・・。
米国は国として、6月6日付で当時のShanahan臨時国防長官がトルコ国防相へレターを出し、S-400のトルコ搬入が行われれば、F-35共同開発国で同機を100機購入予定のトルコを、F-35計画から排除し、既に完成している4機の機体も引き渡さないし、米国内でF-35の操縦や機体整備の訓練を受けているトルコ軍兵士を国外退去させると最後通牒しています
Shanahan臨時長官は同レターに先立ち、トルコ国防相と同書簡の内容について5月末に電話で話し、イスラム教の国として唯一のNATO加盟国であり、米軍の地域拠点であるインジュリック空軍基地を擁するトルコと米国の関係は、いよいよ正念場に差し掛かっていましたが、一線を越えてしまった感があります
6月6日付の最後通牒の直接のきっかけは、トルコがS-400の操作要領等を学ばせるため、トルコ軍の操作員や整備員をロシアに派遣したことが最近明らかになったための様ですが、西側最新兵戦闘機であるF-35を、ロシア製最新鋭SAMと同居させることで機密が漏洩すると、トルコ側には数年前からあらゆるチャネルを用いて警告してきたにも関わらず、反米のエルドワン大統領は一歩も引かない姿勢でS-400導入を進めてきました
6月7日に会見した米国防省のEllen Lord担当次官は、S-400の代替として、米議会の許可も得てパトリオットシステムをトルコに輸出する準備も整っているとトルコ側に呼び掛けていますが、トルコ側はこれまで、米側とNATO加盟国からのこのような要請に対し、「S-400導入は既に決定済で契約済の案件だ」として全く聞く耳を持たない様子です
しかしです、トランプ大統領がG20開催直前のTVインタビューで、オバマ政権時代にS-400の代替になりうるパトリオットシステムのトルコへの売却を許可しなかったから、トルコはS-400を購入せざるを得なくなったのだと、トルコのエルドワン大統領の弁解を丁寧に説明しており、この発言の意味するところが気になります
だからトランプ大統領は、国防省や米軍が訴えてきたF-35の機密漏洩の懸念を無視し、100機のF-35売却による儲けを優先し、F-35計画への継続参加を認めると言うのか、F-35計画から除外をするが、重要な米国とトルコの同盟関係は重要だからこれまでと変化ないというのか・・・気になるところですし、米側の反応を見守りたいところです・・・
米トルコ関係
「米がトルコに最後通牒」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-09
「6月第1週に決断か」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-23
「トルコが米国内不統一を指摘」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-06-2
「もしトルコが抜けたら?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-21
「来年10月S-400がトルコ配備」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-27-1
「マティス長官がトルコF-35を擁護」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-24
「6月に1番機がトルコに」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-15
「露製武器購入を見逃して」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-28-1
「連接しないとの言い訳?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-30