アフリカ大陸への関与拡大の一環として
ソチでの初のRussia-Africaサミット開催に合わせるように
21日、南アフリカ国防省がロシア軍戦略長距離爆撃機や大型輸送機を同国に招待したと発表し、22日にもTu-160 Blackjack戦略爆撃機2機がヨハネスブルグ北約60kmの「Waterkloof」空軍基地に到着するようです
アフリカ大陸を「最後のフロンティア」と見なす各国の覇権争いが激しさを増す中、ロシアも「中国に見習って」アフリカへの影響力強化の一環として軍事協力強化を図っていると軍事メディアは紹介していますが、2016年に一度計画されながらシリアでの軍事作戦が忙しくて仕切りなおしになっていた爆撃機派遣だそうです
冒頭でご紹介したように、時を同じくしてロシアは23-24日に初の「Russia-Africa Summit」をソチで開催(エジプト大統領と共催)してアフリカ諸国の取り込みに懸命で、その結果か過去10年間でアフリカ諸国とロシアとの貿易額が4倍に拡大し、軍事面でもロシアは2015年以降にアフリカ諸国と20以上の軍事協定に合意しているようです
表面上確認できるものだけでなく、ウクライナでロシアが用いた不正規戦闘員や「little green men」や「民間軍事会社」のアフリカ大陸での活動活発化も米国の懸念となっており、大陸全体の経済成長に合わせるように、情勢は厳しさを増しているようです
21日付Military.com記事によれば
●南アフリカ国防省はTU-160のほかに、Il-62旅客機(兵員輸送機)やAn-124大型輸送機も招待したと21日明らかにし、22日までに同国に展開すると発表した
●ロシアは同じタイミングの10月23から24日間に、初の「Russia-Africa Summit」をソチでエジプトと共催する形で実施し、47名のアフリカ諸国元首や高官の参加を得てロシアとの2国間関係を強化することになっている
●21日、プーチン大統領は本サミットやアフリカとの関係強化の背景について、「米国など西側諸国は、アフリカ大陸の資源に対し、正当な対価や補償なしに優位な立場を得ている」と厳しく非難し、「西側諸国が圧力や恫喝や恐喝でアフリカ諸国を利用している」と西側諸国の不当性を訴えた
●そしてプーチンは、「今こそロシアが、アフリカの虐げられた諸国に対し、前提条件のない経済的解決策を提供する時である」と国営メディアを通じて訴えた
●このようなロシアの動きに米国は懸念を強めており、Stephen Townsend米アフリカコマンド司令官は4月に上院軍事委員会で、特にロシアの傭兵のような「不正規兵」「民間軍事会社」の動きに警戒感を示していた
●同司令官は「ウクライナでも活動したロシアの民間軍事会社Wagner Groupのような傭兵が、正規軍が従うルールを省みない行動をとることを心配している」と述べ、ハイブリッド戦がアフリカ大陸で展開されることへの懸念を示した
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中国を見習って・・・と紹介される辺りが、国として右肩下がりのロシアの悲しさですが、西側への嫌がらせへの情熱だけは失っていないようなので注意が必要です
日本でラグビーW杯を盛り上げてくれている南アですが、同大会や台風や即位の礼で日本のメディアが埋め尽くされている間にも、ロシアや中国の浸潤が粛々と進んでいるようです。
秋のこの季節は祝日や祭日が多く、ぼんやり気味の頭はトランプ大統領がらみのニュースだけでいっぱいにもなりますが、チマチマとその他のニュースも拾って行きたいと思います
対露の各種動き
「対露の大規模機動展開演習を」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-08-1
「オープンスカイズ条約から離脱か」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-10
「ハイブリッド情報戦に備え」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-05