EUが加盟国の武器共同購入に初の資金援助

EU製兵器の加盟国共同購入を支援
欧州軍需産業強化と相互運用性強化
規模の経済追求と米国依存への危機感も

EU joint procu.jpg11月14日、EUが史上初めて加盟国による欧州製武器の共同購入プロジェクト5つに、それぞれ約100億円の資金援助を行うと発表し、EUが今年3月に発表した「軍需産業戦略:defense industrial strategy」と併せ、まとめ買いによるスケールメリットの享受、加盟国間の相互運用性向上、大量発注による域内軍需産業基盤の強化、米国製兵器への過度依存からの脱却、ウクライナ支援の強化等を通じ、欧州防衛強化につなげるとアピールしています

EU joint procu3.jpg今年3月にEU発表の「軍需産業戦略:defense industrial strategy」では、2030年までに加盟国による共同購入比率を40%にまで高めることや、兵器装備調達の50%以上を欧州製にすることを狙った野心的な目標設定がなされ、具体的な推進責任者として「EU Defense Commissioner」を指名、更にEUからの共同購入支援資金提供を行う仕組みEDIRPA(European Defence Industry Reinforcement through Common Procurement)が設定されています

公表された加盟国による共同購入プロジェクト5つは

●MBDA製の短射程防空システムMistral
9か国(France, Spain, Hungary and Romaniaを含む)の共同購入
●Diehl製の中射程防空システムIRIS-T SLM
6か国(Germany and Bulgaria含む)の共同購入

●Patria製6輪の装甲兵員輸送車
4か国(Finland, Latvia, Sweden and Germany)の共同購入
●2つの155㎜砲弾の共同購入プロジェクト
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EU joint procu2.jpg今年3月にEUが発表した「軍需産業戦略:defense industrial strategy」や共同購入支援の資金提供枠組みが、どのような経緯で設定され創設されたのか把握していませんが、米国からの圧力や「もしトラ」を想定した対策の側面も少なからずあることは間違いないでしょう。

「左翼的な政策」の大転換や、海外支援から「自国優先」へ大きく舵を切ろうとしている次期トランプ政権と、欧州がどのように折り合いをつけていくのかがとても気になります

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