米空軍は今後5年間で1000機削減を計画

上院議員が未公開情報を持ち出し問いただす
国防長官も統合参謀本部も否定せず将来のためと原則論

Fischer.jpg4月7日、上院軍事委員会で共和党Deb Fischer議員が、未公開の2023年度予算案関連情報を持ち出し、国防長官と統合参謀本部議長に対し、今後5年間で空軍機を1000機削減する計画があるが本当に大丈夫なのかと問いただすとともに、国家安全保障戦略NSSやNDS、核体制見直しNPR、ミサイル防衛見直しMDRなど重要政策文書や、予算関連構想や資料提示が遅いことを厳しく問いただしていま

2023年度予算案公表時に米空軍幹部は、約150機の航空機を早期退役させ、MQ-9無人機100機を他省庁に譲渡し、新規に82機購入して約160機の総機数削減になると全体計画の一部を説明していた模様で、実際には369機を退役させ、87機を新規購入する282機削減案であることが同上院議員から明らかにされました

Fischer2.jpgまた同上院議員は、今後5年間の計画では、1468機を早期退役させ、467機を新規導入し、全体で1001機の削減となる計画を米空軍が持っていると指摘し、kendall空軍長官が予算案公表前後に語っていた「2024年度予算案では、より一層厳しい選択を行う」と表現していた厳しさの一端を暴露しました

通常は次年度予算案提出時に「J-books」と呼ばれる細部説明資料が同時に国防省から提供されるのですが、今年はひと月遅れになる模様で、このあたりも米議会で非常に不評な模様です

更に、バイデン政権の安全保障戦略を示す「国家安全保障戦略NSSやNDS」、「核体制見直しNPR」、「ミサイル防衛見直しMDR」など重要政策文書が、やっと先週議員に、しかも扱いにくい「秘密文書」として提供されたばかりで、安全保障関連予算の議会審議を困難にしているとFischer議員は厳しく指摘しています

Fischer3.jpgこの上院軍事委員会に出席していたオースチン国防長官とMilley統合参謀本部議長は、米空軍の大規模航空機削減計画を否定せず、米空軍も委員会後のメディアからの矢のような問い合わせにも「J-books」で説明するとの姿勢を貫いており、米国防省と米軍による、維持費のかかる旧装備を早期に退役させ、将来戦に必要な新装備導入に資源配分する姿勢は強固なようです

以下では、同委員会におけるFischer上院議員の厳しい質問に対する、国防長官と統合参謀本部議長の対応をご紹介しておきます。特に目新しい発言ではありませんが

7日付米空軍協会web記事によれば
Milley Senate.jpg●(作戦運用上の戦力ニーズは、国防省や米軍が計画している戦力削減に応じて低下すると予想しているのか?) 国防長官→米国防省は将来戦において決定的な勝利を収めるための投資を継続しており、将来戦で生き残れない戦力は早期退役させるべきと考えている。退役予定の装備は維持経費が高騰しているもので、その維持費を将来装備に振り向けたい。これが我々の戦略だ

●統合参謀本部議長→早期退役を考えている装備の大部分は米海軍と空軍の装備である。長期的なコスト分析結果では、早期退役がより効率的である。我々は2030年以降の将来環境に対応する戦力投資を行いたい

Milley Senate2.jpg●(バイデン政権のNSSなど政策文書策定が遅いとの指摘に関連し)国防長官→予算案や「J-books」に示される資源配分計画は、全て政府の戦略文書やレビュー文書と整合が執れており、米国民の民意に沿うものである

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ウクライナ東部や南部での緊張が高まっていますが、これまでの国防省や米軍幹部の発言等からすると、米国防省や米軍の将来投資計画は「対中国」中心で全くブレておらず、あくまで「ウクライナ事案関連のインフレ対策」をどうするか、「対中国」のどの部分を後回しにするかの検討しかないように感じています

Milley Senate3.jpg世界の安全保障認識や一般国民の軍事脅威への認識は変化しそうですが、少なくとも米国防省と米軍関係者の目は「対中国」で変化ないと思います。もちろん、F-35調達機数の削減も、維持費の将来見通し確定のタイミングで行う路線で変更ないと思います

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