艦載無人給油機MQ-25操縦者は准尉で処遇

准尉(warrant officer)を5階級に区切って管理
新卒若手や部隊希望者を准尉で採用とか
米空軍は有人機パイロットと同じ士官階級管理だが

MQ-25.jpg12月22日付Military.comが、米海軍が空母艦載無人空中給油機MQ-25(運用開始2024年予定)の操縦者を階級「准尉(warrant officer)」で処遇し、今後6年から10年かけて約450名のMQ-25操縦操作要員を確保する計画だと報じています

准尉(warrant officer)」は下士官と士官の中間のような階級で、米空軍が無人機操縦者を有人機パイロットと同し士官(officer)として管理しているのとは全く異なる対応です。つまり、他の水兵や海軍士官とは全く別の、特別技能兵士としての管理となります

それでは、MQ-25操縦者が生涯「准尉(warrant officer)」との一つの階級のままなのか・・・と言えばそうではなく、同じ准尉の中を5段階(W-1からW-5)に分け、経験等に応じて昇任する人事管理を行うようです

12月22日付Military.com記事によれば
MQ-25 3.jpg准尉として扱われるMQ-25操縦者は、主に民間人若手層からの新規採用を念頭に置いているが、現在米海軍で下士官として勤務しているものからの応募も募る予定である
採用された者は、まず有人機操縦者と同じく「Officer Candidate School」で士官としての基礎を学び、その後有人機操縦者と同じ「初期操縦課程」に進んでプロペラ機で航空運用全般や飛行安全を含めた飛行の基礎を学ぶ

MQ-25 6.jpg以後、MQ-25無人空中給油機の操縦や空中給油操作に特化した教育に入り、これを終了するまでに15~18か月間を要すると見積もられている
最初の採用となる2022年度予算で、何名を採用するかはまだ検討中だが、約450名のMQ-25操縦操作要員体制完成時には、准尉の中でも最も階級が上のW-5に24名程度、W-4が113名、W-3が135名、W-2と1が179名との体制で、計452名が想定されている

MQ-25操縦に習熟した准尉の中から、何名かはMQ-4C Triton(海洋監視用のRQ-4グローバルホーク)の操縦も担うことになる。MQ-25は空中給油だけでなくISR任務も期待されており、その点でMQ-4Cと共通点がある

MQ-25 7.jpgなお米海軍は72機のMQ-25導入を現時点で計画しているが、まず20機を加州Ventura County海軍航空基地に配備して運用態勢確立を目指す予定である
MQ-25の開発状況についてボーイングは、12月9日に試験用機体に初めて給油用燃料カプセルを搭載して飛行した、と発表している
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米空軍と米海軍の文化の違いというか、無人機の任務の違いというか、士官を操縦者にする米空軍と、准尉に限定する米海軍の違いは非常に興味深いところです

72機導入予定のMQ-25用に、約450名の操縦者体制を構築する・・・この数が多いのか少ないのか判断できませんが、空母に乗ってMQ-25を操作するだけでなく、各級司令部や開発拠点や教育部隊にも人材が必要なのでしょう

MQ-25A.jpg英語の理解に自信がないのが、MQ-25操縦者の任期?です
記事本文では「The Navy projects it’ll have nearly two dozen chief warrant officer 5s — the most senior of the warrant officer ranks — flying the new aircraft within six to 10 years. There will also be 113 warrant officer 4s, 135 warrant officer 3s, and 179 warrant officer 1s and 2s」
・・・となっており、最上級のW-5になるに6-10年の経験が必要との意味なのか、MQ-25操縦としての任期が6-10年なのか(まさか?)、理解できませんでした。超特別な技術者の扱いですから、新陳代謝を早く・・・との考え方もあるのかなぁ・・・と考えつつ

12月9日の空中給油試験映像(イメージ?)


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