シリアで見られたロシア軍の強固な防空網は存在せず?
ロシアはアルメニアでの大敗北を忘れたか?
緒戦でのウクライナ軍航空基地破壊を過信か?
ただロシアがその気になれば脆弱な小規模戦力
3月1日付Defense-Newsはツイッター映像を紹介しつつ、ウクライナ軍保有のトルコ製無人攻撃機(Bayraktar TB2)がわずか20機程度の戦力ながら、ロシア軍の戦闘車両や地対空ミサイルや補給列車への攻撃で成果を上げる一方で、ロシア軍部隊の防空部隊が全く機能していない状況を「信じられない説明不能なレベル」と報じています
同記事は、ロシアが支援するアルメニア軍が、2020年秋にアゼルバイジャン軍の同型無人機から大打撃を受けた戦訓が生かされず、シリア展開ロシア軍が通常戦闘単位である防空ミサイルや無人機対処兵器や電子戦部隊を備えた「BTG:battalion tactical groups」で強固な防空網を構築しているのとは全く対照的だと、ウクライナ侵攻ロシア軍の混乱ぶりを米専門家の意見として紹介しています
ドローン使用作戦の一里塚
「アゼルバイジャン軍大勝利」→https://holylandtokyo.com/2020/12/22/348/
ただ、公開情報で確認できる範囲で、トルコ製TB2無人攻撃機によりロシア軍車両32両が先週(2月28日の週)破壊されたと記事は伝えていますが、ロシア軍もウクライナ軍飛行場への攻撃や「TB2狩り」作戦を遂行するであろうから、TB2による攻撃がその後も有効かは予断を許さないようです。
専門家は約20機のTB2だけでは戦果は限定的だろうと示唆し、「ロシア軍はTB2の脅威を明確に認識したはずで、仮にロシア軍が態勢を再構築し、BTG編成の基本構成を整え、適切な防空装備を展開し、電子戦部隊と共に運用すれば、TB2の運用は困難になろう」と述べています
また、ウクライナ領内に不思議とロシア軍戦闘機や爆撃機の姿が見えない点から、ロシア軍のミサイル攻撃による制空権確保への過信があったのでは・・・と示唆しつつ、ロシア軍による「TB2狩り」が本格化する可能性に言及しています
一方で米国の専門家は、この動画が100万回再生を超えている状況から、情報戦に自信を持つロシアを上回って、「ウクライナは情報戦で勝利しつつある」ともコメントしています。
//////////////////////////////////////////////////
これだけの情報化社会で、相当程度近代化が進んでいるウクライナでの紛争に関わらず、戦況についてまとまった報道が出てこないことに報道の限界を感じるとともに、「にわか軍事専門家」がいい加減な情報をばらまいている日本の状況を危惧します
そんな中でも、女性や子供を国外に避難させつつも、60歳以下の男性は国内にとどまってロシアに対抗するよう命じたウクライナ政府と、それにこたえるウクライナ国民の姿勢があればこそ、国際社会の支援が集まるのだとしみじみ思います
日本政府が、日本国民が、そして日本のメディアが「その時」どう対応するかによって、国際社会の風向きが変わることを肝に銘じる必要がありましょう
ウクライナ軍のトルコ製無人機で攻撃される侵攻ロシア軍部隊
ツイッターで100万回再生。“バイラクタル”との無人機名が頭に残る
→https://twitter.com/i/status/1498692841526251526
トルコ製ドローン大活躍でロシア大恥
「アゼルバイジャン軍大勝利」→https://holylandtokyo.com/2020/12/22/348/
ウクライナ侵略に関する記事
「ロシア兵捕虜への「両親作戦」」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-03-02
「欧州諸国からウクライナへの武器提供」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-03-01
「ウ軍のレジスタンス戦は功を奏するか?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-02-27
「ウ紛争の最初の一撃は宇宙で!?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-02-17
「ウで戦闘機による制空の時代は終わる?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-02-08