CIA長官:ロシア軍新兵の前線到着後の生存時間は平均20~30分

米国情報機関高官として初めて露ウ戦争での「露の劣勢」に言及
最新ドローン技術が不利だったウの立場を逆転させたと評価
ロシア軍は1日に約1000名の兵士を失う
露とウ兵士の死傷者比率は2026年で「8対1」など

7月16日付Defense-News記事は、米中央情報局(CIA)のJohn Ratcliffe長官による15日の講演概要(@Defense and Innovation Summit in Pennsylvania)を紹介しつつ、「米情報機関高官として初めて、(最新ドローン技術を駆使したウクライナ側の戦いにより、)露ウ戦争がロシアにとって極めて凄惨な戦いになっていることを公式に認めた」と表現し、米シンクタンクの研究結果等と共に、ロシア側が追い込まれた状況にある戦いの実態と、米国に対しウクライナの教訓を学ぶべきとの意見を紹介しています。

同記事によればCIA長官は講演で・・・
●我が情報機関の見方は、ウクライナ情勢に関し、皆様が公開情報で見聞きしている状況と一致している。現在、ウクライナの前線に送られたロシア軍兵の平均余命は、僅か20~30分と見られる。この状況は、ウ側が投入しているAI搭載ドローンが、戦場に最適化し、低コストの殺戮兵器となっているからである。
●我々が着目すべきは、新興技術の活用と習熟が、軍事力に直結するということだ。それが出来たからこそ、劣勢だったウクライナ軍が、4年半後には優越していたはずのロシア軍を食い止め、追い込んでいるのだ。米はウの戦場で得られた教訓を真剣に受け止める必要がある
●ウが新興技術、特にドローンや非対称な戦いに習熟したことで、露軍の進撃は止まった。これらが戦況大転換の非常に大きな要因であり、米国が世界市場での地位を維持するために、あらゆる面でこの分野をリードしなければならないと考える所以である

同記事は関連で以下の情報も紹介
●ウ軍の最高司令官が5月にNATO各国代表に対し、「ロシア軍は1日に少なくとも兵士1000人を失っている」と語ったように、ウ当局や欧州各国は、露軍の死傷者数が過去最高水準にあると数ヶ月前から分析している。

●また米シンクタンクCSISは、AI搭載ドローンのウ側戦線全体への普及に伴い、2026年前半の露対ウの死傷者比率は、それ以前の戦いでの「約2対1又は3対1」から、ほぼ「8対1」に劇的に変化したと分析している。
●更にCSISは、2022年2月の露によるウ侵攻以来、双方合計200万人以上の兵士が死傷し、内140万人は露側の犠牲者で、死者は45万人にも上ると推計している。これはWW2以降、主要国の戦場死者数としては最多

この様な全般情勢下での他国の動向として同記事は・・・
●CIA長官の評価は、新興技術が戦争の様相を左右することと共に、米国が変化に遅れてはならないと指摘しているが、ウの戦場技術の重要性を認識した他国も、ウ軍需産業への数千億円規模の資金を準備し投資機会を精力的に追求しており、米国と競い合っている

●なお、CIA長官講演の前日には、EUとウクライナ間で約1兆円規模のドローン生産契約が締結され、その前週にはウ大統領が、米国との数千億円規模の契約パッケージの交渉に進展があったと述べていたところである。
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日本のTVや新聞等のオールドメディアがウクライナ情勢を報じなくなったと思ったら、ロシアが追い込まれた状況になりつつあることを、西側研究者やシンクタンクに続き、米国情報機関も発信するようになったのですね。(中国に関しても、SNS上では壊滅的な経済情勢や社会情勢が報じられつつありますが、公的情報機関による分析を伺いたいものです・・・。日本の多数ある研究機関にも、一応期待しておきます。)

米空軍協会のミッチェル研究所のトップが、「ウクライナによる戦いは、低コスト巡航ミサイル(なぜか筆者はドローンと言わず、low-cost cruise missilesとの表現を使用)が、ロシアの戦争継続能力を破砕するため、何処を攻撃すれば効果的かを、多角的かつ網羅的に分析検討した目標を計画的に攻撃している。これは彼らの新技術である低コスト巡航ミサイルを活用した、新たな形のEffects-Based攻撃作戦だ」、

「一方でロシアは、無差別に都市部を攻撃して市民を巻き添えにするような、テロ的攻撃であり、低レベルなインテリジェンスと目標分析能力を露呈した、無計画とも見える攻撃に終始しており、ウ側のよく練られた作戦と、対極的な相違を示している」との分析を7月10日付で投稿しています。この戦いの実相の一面をよく描写していると思いました。ご興味のある方は、ご覧ください。

ウクライナの戦い関連
「歩兵はいないウクライナ最前線」→https://holylandtokyo.com/2026/03/03/14057/
「目標撃破の8割が無人機で」→https://holylandtokyo.com/2026/01/30/13822/
「欧米渇望のウ製迎撃ドローン」→https://holylandtokyo.com/2026/03/17/14163/
「クモの巣作戦」→https://holylandtokyo.com/2025/07/14/12101/

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