原油不足で燃料不足や予算不足か?
トランプの訪中を見据えた沈静化?
中国国内の政治協議への配慮?
軍事メディアが様々な説でアプローチ
3月20日付記事が台湾国防省データで過去3週間の凸凹検討
過去にこの様な事例があったのか等々、突っ込みが甘い記事ではありますが、イラン情勢が緊迫する中で、18日に米国情報機関の元締めであるDNI(国家情報長官)が、「中国は2027年までの台湾侵攻は計画しておらず、武力を使わずに台湾支配を実現したい意向を持っている」との分析を発表した直後の中台関連情報ですので、ご紹介しておきます。
台湾国防部発表の台湾近傍を威嚇飛行した中国軍機の数は
・3月以前は、1日に12回以上を観測
・ただ3月1~16日の間は、1日3~8回だった
・得に7~9日の3日間は計2回しかなかった
・ただし、16日以降は急増。16~17日朝に28回、17~18日朝に36回、18から19日朝に12回
【米大統領の訪中前に刺激回避説】
・同説を主張:Alexander Huang台北の戦略・戦争ゲーム研究協議会の会長
・同説を否定:Denny Roy, senior fellow at the East-West Center think tank in Hawaii→「中国はむしろ、中台緊張の高まりを米大統領に再認識させ、緊張緩和のため米の台湾支援を縮小させようとするはず」
【3月初旬の中国国内政治会議への刺激回避説】
・Huang Chung-ting台北の国防安全研究所の准研究員→「4~11日に北京で開催された中国政治の年次行事「両会」(全国の代表が業務報告を審査し、法律を協議承認する会合)で、中国指導部の関心を対台湾軍事活動からそらしたい意向の可能性」
・Brian Hioe:Nottingham大学の台北研究拠点研究員→「両会を前に、人民解放軍の軍事活動が減少する傾向があるのは事実だ」
【原油価格高騰・燃料予算不足等説】
(ジェット燃料価格は80%以上上昇)
・Huang Chung-ting台北の国防安全研究所の准研究員→「原油価格高騰は、中国軍用機活動を抑止するものの、完全阻止にはならない。中国政府はコストを吸収可能。民主主義国と同様の懸念は持たない」
【わからない】
・Shen Yu-chung台湾政府の対外事務委員会副主任→「中国にしかわからない」
・Brian Hioe:Nottingham大学の台北研究拠点研究員→「(16日以降の活動急増の兆候について、)通常活動への復帰で、大規模演習と捉えるべきではない」
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ちなみにトランプ大統領は3月16日に記者団に対し、当初は3月31日から4月2日の日程で予定されていた米中首脳会談を、「およそ1カ月訪中を延期する」、「行きたいのは山々だが、戦争のため、ここにいるべきだ」と述べ、イラン情勢への対応を優先する姿勢を表明しており、この発表と中国機の活動量が増加に転じたタイミングが重なったと見ることは可能です。
「突っ込みが甘い記事」だと紹介している私も、これ以上「突っ込んだ分析」はできませんが、3月14日に米国の国家情報長官(DNI:Director of National Intelligence)が年次レポート「世界の脅威」を発表し、中国関連では「中国は2027年までの台湾侵攻は計画しておらず、武力を使わずに台湾支配を実現したい意向を持っている」との要旨を述べ、
「中国は、必要なら統一のために武力行使も辞さないと警告しているほか、米国が台湾を利用して中国の台頭を阻もうとしていると見ているが、可能な限り武力を用いずに統一を実現したいと考えている」、「現時点では中国指導部は2027年に台湾侵攻を実行する計画を持っておらず、統一の達成に向けた明確な時程表も設定していない」と表現し、中国軍の関連能力について「着実だが不均一な前進を遂げている」と微妙な表現を継続しており、
米国防省が2025年末に発表した「中国は2027年までに台湾侵攻を可能にする態勢構築を進めている」との分析報告書の内容と、明らかな差異が生じているところですので、小ネタを基に様々な専門家の見解をご紹介してみました。
2026 ANNUAL THREAT ASSESSMENT(現物:34ページ)
→https://www.dni.gov/files/ODNI/documents/assessments/ATA-2026-Unclassified-Report.pdf
最近の中国軍関連の記事
「中国軍2トップ粛清と現状」→https://holylandtokyo.com/2026/02/26/13983/
「レーダー照射事案」→https://holylandtokyo.com/2026/01/06/13587/
「空母福建EMALS と操縦者育成課題」→https://holylandtokyo.com/2025/10/23/12952/
「イラン核施設攻撃に中国はなぜ抑制的」→https://holylandtokyo.com/2025/07/30/12246/
記事内の証言者5名
・Alexander Huang, Taiwanese university professor and chairman of the Council of Strategic and Wargaming Studies in Taipei.
台湾の大学教授で台北の戦略・戦争ゲーム研究協議会の会長を務めるアレクサンダー・ホアン氏
・Denny Roy, Senior fellow at the East-West Center think tank in Hawaii.
ハワイにあるシンクタンク、イースト・ウエスト・センターの上級研究員であるデニー・ロイ
・Brian Hioe Non-resident fellow at the Taiwan Research Hub of the University of Nottingham
ノッティンガム大学台湾研究拠点の非常勤研究員であるブライアン・ヒオエ
・Huang Chung-ting, An associate research fellow with the Institute for National Defense and Security Research in Taipei
台北にある国防安全研究所の准研究員である黄忠廷氏
・Shen Yu-chung Deputy minister of the Taiwan government’s Mainland Affairs Council
台湾政府の対外事務委員会副主任である沈玉中氏


3月20日付Defense-Newsが、台湾国防部(国防省と同義)が集計&発表した、3月1日から19日の間に台湾近傍を威嚇飛行した中国軍機の数について、1~15日の間で急減少し、16日以降の3日間は通常レベルかそれ以上に戻ったことを取り上げ、台湾内外5名の専門家や国防当局の見方を紹介していますので、